[P-68] 雑種オオサンショウウオの生態と器官再生機能について
山口県の錦川に生息するオオサンショウウオの生態調査において、指や眼球が再生していた個体が15頭みつかった。これは堰堤下部の外傷の多い個体群で確認した現象であるが、教科書に出てくるイモリやツメガエルの器官再生に似ていると思った。また、三重県に生息する外来種とのハイブリッドは、日本産の2倍以上の成長速度と凶暴性から個体間競争も激しいが、外傷の治癒や環境への適応力も優れていた。ハンザキと言われ、わが国では古来より強い生命力を象徴化し珍重しているが、これは外傷性刺激による器官再生の能力が優れていることを伝承したものではないかと仮説を立てた。本種の優れた生命力と、その利用の可能性について考察した。