[4-8] ポスター発表（午後の部）

[P-124] 麹菌が他個体を認識する方法

角田 望 (横浜サイエンスフロンティア高等学校 自然科学部)

麹菌は同一の培地上で他のコロニーの菌糸を避け合う性質があり、その要因を調べることを本研究の目的とした。麹菌を2か所植菌したとき、菌糸同士は接触する前に避けあった。さらに培地を左右に2分割し、その境界部分を切り取ることで、培地を介した情報のやりとりを遮断したとき、菌糸が避け合う様子はみられなかった。麹菌から水溶性成分と脂溶性成分を抽出し、麹菌の近くに滴下した結果、菌糸は水溶性成分を避ける傾向がみられた。また、水溶性の抽出物にはアミラーゼが含まれていることが確認された。以上のことから、麹菌は培地を介して他のコロニーの菌糸を認識し、それにはアミラーゼを含む水溶性成分が関与していると考えられる。