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[O-7] 高精度大気圧計算法の開発及び金星大気と浮力の研究
キーワード:気体分子運動論、金星、超臨界流体状態、アルキメデスの原理、浮力、大気圧
私達は、気体分子運動論に基づき、重力加速度の補正を取り入れることで、任意の高度でのわずか1点の大気圧から、100kmスケールの大気全体の鉛直構造を精密に計算できる手法を開発した。これにより、定点観測が困難な気象条件の天体においても、大気圧のモデル構造を比較的簡単に得ることができる。この手法を用いて超臨界流体状態にある金星大気を分析した結果、地上から高度50kmまでの大気がideal gas-like phaseにあることを初めて明らかにした。また、単純分子衝突理論による水中での浮力の起源の解明に取り組んだ結果、重力ポテンシャルのみを考慮した水分子の密度勾配モデルの限界を明らかにした。