14:10 〜 15:00
[P-35] ムカシトンボの起源を遺伝子から探る
キーワード:ムカシトンボ、ミトコンドリアDNA、COI領域
ムカシトンボ亜目に属するトンボは世界で4種いるといわれ、このうちムカシトンボ (Epiophlebia superstes) 1種が日本に生息している。ムカシトンボ亜目は系統的にとても古く、生きた化石として扱われている。現在でも多くの研究者が系統的に古く、そこから均翅亜目、さらには不均翅亜目が進化してきたと考えている。これはムカシトンボ亜目が、均翅亜目と不均翅亜目の両方の特徴を持っているからである。しかし、遺伝子からみるとそうではないという考えを示す研究者も出てきた。
そこで本研究では、ムカシトンボを含むトンボ6種類のミトコンドリアDNAのCOI領域の遺伝子解析を行い分子系統樹を作成した。その結果、COⅠ遺伝子から見ると系統的に最も古いと考えられていたムカシトンボが独立したムカシトンボ亜目ではなく、系統的に最も新しいとされる不均翅亜目に分類される可能性が高いという結論が得られた。このことから、ムカシトンボが本当に系統的に古くて、生きた化石と言えるかは疑問に思われた。
しかし遺伝子的な面だけではわからないところも多いので、今後はもっと多くの種の遺伝子解析や生態的・行動的な面から研究を続け、この考えが正しいかを検証していきたい。
そこで本研究では、ムカシトンボを含むトンボ6種類のミトコンドリアDNAのCOI領域の遺伝子解析を行い分子系統樹を作成した。その結果、COⅠ遺伝子から見ると系統的に最も古いと考えられていたムカシトンボが独立したムカシトンボ亜目ではなく、系統的に最も新しいとされる不均翅亜目に分類される可能性が高いという結論が得られた。このことから、ムカシトンボが本当に系統的に古くて、生きた化石と言えるかは疑問に思われた。
しかし遺伝子的な面だけではわからないところも多いので、今後はもっと多くの種の遺伝子解析や生態的・行動的な面から研究を続け、この考えが正しいかを検証していきたい。