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[P-37] プラナリアがもつ「生育環境変化への適応能力」の研究
キーワード:プラナリア、再生、浸透圧、光走性
プラナリアは再生能力が非常に高く、再生医療等様々な科学技術に今後利用され得るモデル生物の1種であるが、プラナリア自身の生態・行動様式等、生態学的な知見には未だ不明な点が多い。そこで、私は「海水」という身近で安価な実験材料を利用して、プラナリアが本来持つ生育環境の変化に対する環境適応能力を検証した。まず、海水濃度を段階的に下げ、プラナリアを飼育し、生存できるかどうかを確認した。その結果、高濃度では恐らく浸透圧の関係上死滅してしまったが、ある濃度域では、プラナリアの生存が確認された。また、それと同時にプラナリアの負の光走性を確認したところ、生存が確認された海水中のプラナリアでは、その光走性が減弱していた。しかしながら、その個体を淡水中に戻すと光走性が回復することが新たに明らかになった。また、体を切断した固体を用いて、再生に対する海水の影響を検証したところ、海水によって再生過程の遅延が確認された。今後は海水が具体的にどの様な影響をプラナリアに及ぼしているかその詳細を調べていきたい。