SCIENCE CASTLE2017

Presentation information

関西大会

[WS5] ポスター発表 偶数

Sat. Dec 23, 2017 3:00 PM - 3:50 PM ポスターエリア (B1F第二体育館)

3:00 PM - 3:50 PM

[P-32] 滝畑ダム湖の特異な生息環境におけるアユの生存戦略

長井 勇樹, 岩井 広樹, 岡本 鼓都里, 小川 力也 (大阪府立富田林高等学校 科学部 魚類班)

Keywords:アユ,生存戦略,両側回遊,陸封,進化,食性

今年8月石川上流の滝畑ダム湖でアユが生息していることを発見した。このアユは35年前に大阪府が放流した琵琶湖産 (陸封型) アユに由来すると考えられ, 上下流のタイプの異なる「陸封型」と「両側回遊型」のアユの比較研究を行うことにした。その結果, 陸封型は体が小さく, また口が大きく, 生殖腺の発達時期が早かった。陸封型の胃内容物は両側回遊型と同様に珪藻などの藻類で占められていたが, 水槽実験では陸封型のみが動物性のえさを食べた。遡上できる河川が非常に短いという特異な環境下で, 陸封型アユは河川とダム湖を行き来しながら生存してきたと考えられる。もともと琵琶湖に由来するが, 「琵琶湖型」とは異なる「滝畑型」特有の生態を獲得した可能性がある。