[O-10] 絶滅危惧種ミツガシワの謎を追え!
キーワード:ミツガシワ、絶滅危惧種、二型花柱性、自家不和合性
<概要>
大分県の絶滅危惧種に指定されているミツガシワは、氷河期の遺存植物といわれ、北半球の冷涼・貧栄養な環境に生育する抽水植物である。今まで、他の自生地からかなり離れていることや、これまでほとんど開花が確認されていないこと等から、栄養生殖のみで繁殖し、遺伝子の多様性が低下している可能性が示唆された。
以上のことから、生態学的な知見や繁殖戦略についての調査・実験を行い、最後に総合考察を試みた。
大分県の絶滅危惧種に指定されているミツガシワは、氷河期の遺存植物といわれ、北半球の冷涼・貧栄養な環境に生育する抽水植物である。今まで、他の自生地からかなり離れていることや、これまでほとんど開花が確認されていないこと等から、栄養生殖のみで繁殖し、遺伝子の多様性が低下している可能性が示唆された。
以上のことから、生態学的な知見や繁殖戦略についての調査・実験を行い、最後に総合考察を試みた。
<考察・展望>
①栄養塩を違えての栽培実験では、ミツガシワは栄養塩を加えた方がより成長することが明らかとなった。
②冠水耐性を見る水没実験では、ミツガシワが生存競争において優位に立つためには、少なくとも24㎝以上の水深にする必要があることがわかった。
③日本におけるミツガシワの長花柱型・短花柱型の分布では、日本のミツガシワの分布と花柱型との相関は見られなかった。
④ミツガシワ群落の遺伝的多様性についての実験では、群落内が種子繁殖でなく、栄養生殖で繁殖している可能性が示唆された。
①栄養塩を違えての栽培実験では、ミツガシワは栄養塩を加えた方がより成長することが明らかとなった。
②冠水耐性を見る水没実験では、ミツガシワが生存競争において優位に立つためには、少なくとも24㎝以上の水深にする必要があることがわかった。
③日本におけるミツガシワの長花柱型・短花柱型の分布では、日本のミツガシワの分布と花柱型との相関は見られなかった。
④ミツガシワ群落の遺伝的多様性についての実験では、群落内が種子繁殖でなく、栄養生殖で繁殖している可能性が示唆された。