[P-10] スギの遺伝学的・形態学的解析による屋久杉伝説の検証
Keywords:スギ、豊後街道、遺伝子
<概要>
熊本市のJR竜田口駅から大津町に至る約20kmの県道337号線(豊後街道)沿にはスギが植栽されている。ここには約400年前に肥後藩主である加藤清正が屋久杉を植栽したという伝説がある。私たちは、豊後街道のスギが屋久杉由来か否かを検証するため、スギの生態調査、DNA解析による系統分類を試みた。文献調査では、豊後街道のスギは形態学的、遺伝学的に屋久杉と確認されておらず、葉緑体DNAの解析から京都の北山杉に由来している可能性がある。今後、核DNAの解析によるスギの系統分類を評価したい。
熊本市のJR竜田口駅から大津町に至る約20kmの県道337号線(豊後街道)沿にはスギが植栽されている。ここには約400年前に肥後藩主である加藤清正が屋久杉を植栽したという伝説がある。私たちは、豊後街道のスギが屋久杉由来か否かを検証するため、スギの生態調査、DNA解析による系統分類を試みた。文献調査では、豊後街道のスギは形態学的、遺伝学的に屋久杉と確認されておらず、葉緑体DNAの解析から京都の北山杉に由来している可能性がある。今後、核DNAの解析によるスギの系統分類を評価したい。
<考察・展望>
文献調査より、豊後街道のスギは屋久杉由来ではない可能性が高い。文献には「明治時代にスギの多くが伐採された」という記述があり、また昭和と平成にはスギの老化や台風などの自然災害で倒木したものが多い。しかし、杉並木の中には樹齢数百年の株もあり、江戸時代に植栽された可能性がある。日本ではスギの系統分類は確立されており、今後核DNAのSNP解析により、屋久杉伝説の信憑性を評価できる。
文献調査より、豊後街道のスギは屋久杉由来ではない可能性が高い。文献には「明治時代にスギの多くが伐採された」という記述があり、また昭和と平成にはスギの老化や台風などの自然災害で倒木したものが多い。しかし、杉並木の中には樹齢数百年の株もあり、江戸時代に植栽された可能性がある。日本ではスギの系統分類は確立されており、今後核DNAのSNP解析により、屋久杉伝説の信憑性を評価できる。