[P-114] プラナリアの有する環境適応能力に関する研究
Keywords:プラナリア、環境変化、再生、走性
<概要>
本研究は再生生物学分野でモデル生物として有用なプラナリアの海水適応能力及びその影響を検証した。検証の結果、プラナリアは切断の有無に関わらず淡水から4倍希釈の海水までは生存及び再生が可能である一方で、海水によって行動様式や再生効率が減弱することも確認された。また、プラナリアに影響を与えたのは海水に含まれる具体的な何かというよりも海水そのものであることが示唆された。今後は海水環境下で卵を産ませるなどして、無性生殖と有性生殖の両方の性質を兼ね備えるプラナリアならではの環境適応能力を検証したいと考えている。
本研究は再生生物学分野でモデル生物として有用なプラナリアの海水適応能力及びその影響を検証した。検証の結果、プラナリアは切断の有無に関わらず淡水から4倍希釈の海水までは生存及び再生が可能である一方で、海水によって行動様式や再生効率が減弱することも確認された。また、プラナリアに影響を与えたのは海水に含まれる具体的な何かというよりも海水そのものであることが示唆された。今後は海水環境下で卵を産ませるなどして、無性生殖と有性生殖の両方の性質を兼ね備えるプラナリアならではの環境適応能力を検証したいと考えている。
<考察・展望>
実験1~3により、プラナリアは切断の有無に関わらず4倍希釈の海水までは生存可能であり、負の光走性は減弱するものの、淡水に戻すことで回復し、効率は減弱するが再生も可能であることが分かった。また実験4~6により、海水の成分であるNaClで海水とほぼ同等の結果を示し、KClで全滅したことから、海水に含まれる具体的な何かというよりもそれらが複合した海水そのものがプラナリアに影響を及ぼしたと考えられる。砂糖ではNaClと等しい浸透圧であるにも関わらず、全滅したことから浸透圧ではなく砂糖そのものの影響であると考えられた。また現在、NaCl水溶液による負の光走性への影響を調べる実験や淡水・海水・NaCl水溶液・KCl水溶液にて再度生存率の比較実験を行っており、より得られた結果を確実なものにしていきたいと考えている。さらに、ここまでの実験では各個体は隔たられていたが、海水やNaCl,KCl下において同空間に生息していた場合、有性生殖するのか、また次世代の個体はどの程度環境変化に適応するのかも明らかにしたいと考えている。
実験1~3により、プラナリアは切断の有無に関わらず4倍希釈の海水までは生存可能であり、負の光走性は減弱するものの、淡水に戻すことで回復し、効率は減弱するが再生も可能であることが分かった。また実験4~6により、海水の成分であるNaClで海水とほぼ同等の結果を示し、KClで全滅したことから、海水に含まれる具体的な何かというよりもそれらが複合した海水そのものがプラナリアに影響を及ぼしたと考えられる。砂糖ではNaClと等しい浸透圧であるにも関わらず、全滅したことから浸透圧ではなく砂糖そのものの影響であると考えられた。また現在、NaCl水溶液による負の光走性への影響を調べる実験や淡水・海水・NaCl水溶液・KCl水溶液にて再度生存率の比較実験を行っており、より得られた結果を確実なものにしていきたいと考えている。さらに、ここまでの実験では各個体は隔たられていたが、海水やNaCl,KCl下において同空間に生息していた場合、有性生殖するのか、また次世代の個体はどの程度環境変化に適応するのかも明らかにしたいと考えている。