[ES205] ポスター発表 偶数

[P-118] プラナリアの「中途半端な眼奇形システム」の構築

^○清水怜旺 (早稲田大学高等学院 2年)

Keywords:プラナリア、奇形眼形成、エタノール

＜概要＞
本研究では、動物の奇形を形態学的に解釈するためにプラナリアをモデル生物として用い、奇形を種類で区別し、症状ごとに作り分けをすることを可能とするシステムを構築することを目的とした。単眼の奇形個体には軽度と重度の症状があり、エタノールの濃度、照度、水温の調節によりそれぞれ軽度と重度の個体を作り分けることができるという仮説のもと、研究を実施した。この結果、エタノールの濃度によって発生する奇形個体の量が変化し、適度の濃度の下で再生をさせれば奇形個体を安定して作り出すことができることが明らかとなった。

＜考察・展望＞
今回の実験により奇形目個体の作出が人工的に可能であり、それがある程度コントロールできそうであることが明らかとなった。この実験系の確実な確立が可能になった後、このシステムで量産した奇形個体を一つ一つ観察し、各サンプルで発現しているｍRNAを調べることで、大学の研究室と連携して奇形発生の形態学的な理解と奇形を治すための手がかりを探したいと考えている。特に現在、エタノール下で培養されていたブリッジ状眼の個体を水に置換して経過観察をするとブリッジ状眼の架橋部が分かれる。そこで、その領域で機能している細胞群の発現状況を調べることが出来れば良いのではないかと考えている。