[P-10] 透明骨格標本を用いたカエル2種の大腿骨形成の比較
Keywords:透明骨格標本、軟骨内骨化、大腿骨形成、ダルマガエル、ヒキガエル
<概要>
本校生物部では、早春と初夏に変態するオタマジャクシの透明骨格標本を作製し、大腿骨の形成過程を観察した。すると、早春に変態するヒキガエルは大腿骨の硬骨化が遅く、逆に初夏に変態するダルマガエルは遅いということが分かった。その原因として、カエルの天敵である蛇に注目した。その蛇は早春では活動が緩慢であり、初夏には蛇の餌も豊富となるのため、活動が活発であることが分かっている。そのため、早春に変態期を迎えるヒキガエルは過剰にエネルギーを用いて硬骨化を急ぐ必要がない。そして初夏に変態期を迎えるダルマガエルは蛇から遠く避難するジャンプ力が必要になるため大腿骨の硬骨化を優先する必要性があると考えた。
本校生物部では、早春と初夏に変態するオタマジャクシの透明骨格標本を作製し、大腿骨の形成過程を観察した。すると、早春に変態するヒキガエルは大腿骨の硬骨化が遅く、逆に初夏に変態するダルマガエルは遅いということが分かった。その原因として、カエルの天敵である蛇に注目した。その蛇は早春では活動が緩慢であり、初夏には蛇の餌も豊富となるのため、活動が活発であることが分かっている。そのため、早春に変態期を迎えるヒキガエルは過剰にエネルギーを用いて硬骨化を急ぐ必要がない。そして初夏に変態期を迎えるダルマガエルは蛇から遠く避難するジャンプ力が必要になるため大腿骨の硬骨化を優先する必要性があると考えた。
<考察・展望>
北海道大学岸田研究室では、エゾアカガエルの「対ヤゴ型」、「対サンショウウオ型」としてのオタマジャクシが、天敵の種類に応じて体系を変化させるといった興味深い研究結果を発表している。岸田教授によると、自然界で生物は外敵に捕食されないよう、様々な防御手段を講じている。防御に何らかのコストを被る場合は、常に防御するのではなく危険なときにのみ防御を発現し、安全な状況下では防御をしないのが優れたやり方になると考えており、本研究はその説を別の角度から裏付けていると考える。
今後の展望については、はカエルの主な天敵であるヘビが存在しない離島などに生息するカエルなどの調査を行い、より発展性のある研究課題にしていきたい。
北海道大学岸田研究室では、エゾアカガエルの「対ヤゴ型」、「対サンショウウオ型」としてのオタマジャクシが、天敵の種類に応じて体系を変化させるといった興味深い研究結果を発表している。岸田教授によると、自然界で生物は外敵に捕食されないよう、様々な防御手段を講じている。防御に何らかのコストを被る場合は、常に防御するのではなく危険なときにのみ防御を発現し、安全な状況下では防御をしないのが優れたやり方になると考えており、本研究はその説を別の角度から裏付けていると考える。
今後の展望については、はカエルの主な天敵であるヘビが存在しない離島などに生息するカエルなどの調査を行い、より発展性のある研究課題にしていきたい。