[P-117] 鯉・鮒農法が水生生物に与える影響
Keywords:鯉、鮒
<概要>
鯉・鮒農法の生物多様性への影響を検討するために、鯉・鮒水田の水生生物の種の数を調査した。
鯉・鮒を放流した無農薬水田、鯉・鮒のいない無農薬水田、そして、農薬(除草剤)を使用している水田において、水生生物の種数を所定の方法により測定した。その結果、特にため池を隣接した鯉・鮒のいる無農薬水田において、水生生物種が少ない傾向がみられた。しかし、ため池に隣接していない鯉・鮒のいる無農薬水田では特に水生物種数の減少は見られなかった。よって、鯉・鮒は水生生物を捕食するが、必ずしも水生生物の多様性に悪影響を与えるとは言えないことが明らかになった。
鯉・鮒農法の生物多様性への影響を検討するために、鯉・鮒水田の水生生物の種の数を調査した。
鯉・鮒を放流した無農薬水田、鯉・鮒のいない無農薬水田、そして、農薬(除草剤)を使用している水田において、水生生物の種数を所定の方法により測定した。その結果、特にため池を隣接した鯉・鮒のいる無農薬水田において、水生生物種が少ない傾向がみられた。しかし、ため池に隣接していない鯉・鮒のいる無農薬水田では特に水生物種数の減少は見られなかった。よって、鯉・鮒は水生生物を捕食するが、必ずしも水生生物の多様性に悪影響を与えるとは言えないことが明らかになった。
<考察・展望>
ため池に隣接した鯉・鮒のいる無農薬水田の水生生物種数は6であり、鯉・鮒のいない無農薬水田や除草剤を使用した水田の水生生物種数(7種~11種)に比べて著しく少なかった。従って、鯉・鮒による水生生物に対する強い捕食圧力が存在していると推定される。しかし、ため池に隣接しない鯉・鮒のいる無農薬水田の水生生物種数は11であり、その作用は限定的であることが示唆された。水田に隣接したため池は、鯉を飼うために作られているが、隣接した水田には鯉が多数存在していると思われ、そのため水生生物種数が少ないと考えられる。ため池の適切な設置を行って、鯉・鮒の水田における分布をコントロールすれば、生物多様性への弊害を避けることは十分可能と考えられる。
この研究は調査数が少ないので、結果の妥当性については、今後、大規模な調査研究が必要と考えている。
ため池に隣接した鯉・鮒のいる無農薬水田の水生生物種数は6であり、鯉・鮒のいない無農薬水田や除草剤を使用した水田の水生生物種数(7種~11種)に比べて著しく少なかった。従って、鯉・鮒による水生生物に対する強い捕食圧力が存在していると推定される。しかし、ため池に隣接しない鯉・鮒のいる無農薬水田の水生生物種数は11であり、その作用は限定的であることが示唆された。水田に隣接したため池は、鯉を飼うために作られているが、隣接した水田には鯉が多数存在していると思われ、そのため水生生物種数が少ないと考えられる。ため池の適切な設置を行って、鯉・鮒の水田における分布をコントロールすれば、生物多様性への弊害を避けることは十分可能と考えられる。
この研究は調査数が少ないので、結果の妥当性については、今後、大規模な調査研究が必要と考えている。