サイエンスキャッスル2018

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[SS107] ポスター発表 偶数

2018年12月16日(日) 15:15 〜 15:55 ポスターエリア (2F 第一研修室、3F第二研修室・調理実習室)

[P-22] 熊本県内におけるゲンジボタルの違いについて

福田海凪 (熊本県立天草高等学校)

キーワード:ゲンジボタル、天草、発光間隔

<概要>
天草地域に生息するゲンジボタルについて、外部形態や発光間隔について調査を行った。日本に生息するゲンジボタルは、約4秒で発光する東日本型と約2秒で発光する西日本型、その境界地域に生息する約3秒で発光する集団が生息する。しかし、西日本型が生息しているとされる天草のゲンジボタルの発光間隔を計測すると、約3秒で発光していることがわかった。また、熊本県の各地で発光間隔を測定した。外部形態については、前胸背の黒斑は錨型で、太く濃い模様を示す。
<考察・展望>
西日本3秒型は山鹿市、小城市、菊池市に生息することから有明海の周辺(有明海へと流れる河川がある地域)に生息しているのではないかと考えた。天草市の北部は有明海に面しているので、天草に生息するゲンジボタルが西日本3秒型のグループに属する可能性も考えられる。

九州のゲンジボタルの遺伝グループは、中央構造線を境界として、南側のグループと北側のグループに分けられる。日本全国で考えた場合、発光間隔の差異には地理的要因やそれに伴う遺伝子の差異が影響しているとされる。天草は島という環境で遺伝的に隔離されたことで発光間隔が異なるのではないかと考えられる。