サイエンスキャッスル2018

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[SS106] ポスター発表 奇数

2018年12月16日(日) 14:35 〜 15:15 ポスターエリア (2F 第一研修室、3F第二研修室・調理実習室)

[P-23] サクラの葉による発芽・成長抑制

西耕史, 瀬戸口智暉, 中島龍星, 館川昭光, 土橋周平, 髙丸佑月, 江崎太陽 (佐賀県立致遠館高等学校)

キーワード:アレロパシー、クマリン、チオール基、マイケル付加反応、プルネチン

<概要>
サクラには種子の発芽を抑制するアレロパシー効果があり、それがクマリンという物質によることが文献から知られている。本研究でサクラの部位ごとのアレロパシー効果の強さを調べたところ、葉、根、花弁の順にアレロパシー効果が強いことが分かった。また、クマリンとサクラの部位ごとのアレロパシー効果に関する実験から、サクラに含まれるアレロパシー効果物質の大まかな量が分かった。さらにサクラの葉の成分析結果から、サクラに含まれるアレロパシー効果を示す主な物質がクマリンではなく、イソフラボン類のプルネチンである可能性が本研究によって示唆された。
<考察・展望>
葉からの抽出物を溶かした水溶液と、クマリン水溶液が共に完全に発芽しなかった濃度から、サクラの葉に含まれるアレロパシー物質をクマリンと仮定すると葉1kgあたり350mgのクマリンが含まれていることになる。しかし、分析結果から含まれるクマリンの量は、この数値を大きく下回っていたが、プルネチン及びその配糖体が多く含まれており、プルネチンの構造式は、クマリン同様に発芽を抑制する構造を持つ。プルネチン類の含有量の合計は、葉1kgあたり数百mg含まれていると試算されることから、アレロパシー効果はクマリンよりもプルネチン類によるものが大きいと考える。