[P-118] ササユリの産出地域による低温適応能力の差異
Keywords:ササユリ、無菌培養、低温適応性、遺伝資源、生物多様性、気候変動
<概要>
園芸高校で系統保存されているササユリについて無菌培養下での低温適応性について実験を行った。その結果、分布南西域の保存系統の低温適応性は低く、北東域の保存系統は高かった。ササユリは地域間での遺伝的交流は少なく、自生地域の気候への適応が進んだ植物であると言える。なお、データ全体から従来培養適温とされてきた25℃はササユリ全体から見ると高温すぎると言え、今後の気候変動下での各地自生地の消滅が危惧される。
園芸高校で系統保存されているササユリについて無菌培養下での低温適応性について実験を行った。その結果、分布南西域の保存系統の低温適応性は低く、北東域の保存系統は高かった。ササユリは地域間での遺伝的交流は少なく、自生地域の気候への適応が進んだ植物であると言える。なお、データ全体から従来培養適温とされてきた25℃はササユリ全体から見ると高温すぎると言え、今後の気候変動下での各地自生地の消滅が危惧される。
<考察・展望>
ササユリは、分布域が狭いにも関わらず形態的な地理的変異があることが知られている。この実験によって、産出地の気候に関連すると思われる低温条件での小球形成能力の違いという生理的な形質の違いも確認することができた。
ササユリは、地域の気候への適応が進んだ植物であると言える。すなわち、現在の分布域に分布して以降、地域間で遺伝的な交流は少なかったことが推測できる。現在、温暖化を中心とした気候変動が進行するなか、各地域のササユリが遺伝資源として消失しないような活動が必要である。
ササユリは、分布域が狭いにも関わらず形態的な地理的変異があることが知られている。この実験によって、産出地の気候に関連すると思われる低温条件での小球形成能力の違いという生理的な形質の違いも確認することができた。
ササユリは、地域の気候への適応が進んだ植物であると言える。すなわち、現在の分布域に分布して以降、地域間で遺伝的な交流は少なかったことが推測できる。現在、温暖化を中心とした気候変動が進行するなか、各地域のササユリが遺伝資源として消失しないような活動が必要である。