特別セッション
特別セッションI
時代の要求に対応する今後の射出成形技術
新川真人(岐阜大),金藤芳典(三菱電機),大石武司(ヤマハ発動機),濱野裕輔(ポリプラスチックス),木村文信(東京大学)
新川真人(岐阜大),金藤芳典(三菱電機),大石武司(ヤマハ発動機),濱野裕輔(ポリプラスチックス),木村文信(東京大学)
近年の新型コロナウイルスによる世界的な経済活動への影響や世界情勢の不透明性は,国内の製造業に大きな変革を求めるものです.2022年度版ものづくり白書では,カーボンニュートラル,グローバルな競争激化,およびビジネスイノベーション等への対応が要請されており,成形加工に関わる技術者,研究者が果たすべき役割は益々大きくなると思われます.一方で,射出成形を構成する技術要素はまだまだ未解明な部分も多く,現在・未来の要求に対応した射出成形の確立が必要です.本セッションは,時代の様々な要求に対応する射出成形技術について,成形技術,成形材料,成形機,金型,DX等の講演を通じて,射出成形の今後の目指すべき姿を議論したいと考えています.多くの方のご講演ならびにご参加をお待ちしています.
特別セッションⅡ
未来を拓く延伸技術のイノベーション
撹上将規(群馬大),池田佳久(芝浦機械)
撹上将規(群馬大),池田佳久(芝浦機械)
「延伸技術」はフィルム・繊維を引き伸ばして高分子鎖を配向させることで高分子の特徴である異方性を引き出す製膜・紡糸において基本的かつ極めて重要な技術です.これにより,同じ分子構造(ポリマー種)であってもその高次構造によって異なる物性が発現し,高分子の本質(面白さ・難しさ)を制御することができます.現在の成形加工技術の高度化に伴い,延伸についても機械物性だけでなく,機能性を引き出すための手法としての重要性も増しており,より多様で高度な構造を形成し,制御する技術が要求されています.本セッションでは幅広く行われている「延伸技術」に改めて注目し,科学的観点と製造プロセスの観点から,先端材料開発においてイノベーションをもたらす原料,延伸技術,多次元構造制御,延伸装置,製造プロセス,計測法,評価・解析手法などについて幅広い視点から広く講演を募り,活発な議論を行うことを希望します.
特別セッションIII
SDGsを志向した超臨界・発泡成形加工技術の発展とこれから
瀧健太郎(金沢大),引間悠太(京都大),伊藤彰浩(京都市産技研),木原伸一(広島大),秋元英郎(秋元技術士事務所)
瀧健太郎(金沢大),引間悠太(京都大),伊藤彰浩(京都市産技研),木原伸一(広島大),秋元英郎(秋元技術士事務所)
1987年9月16日にモントリオール議定書が調印され,世界各国でフロンガスの製造と使用が制限あるいは全廃されることが決められた時期を前後して,二酸化炭素を成形加工に利用する成形加工技術の開発が盛んに行われてきました.特に発泡成形においては,主要な物理発泡剤の一つであったフロンを代替する手段として,二酸化炭素や窒素が物理発泡剤として検討され,フロンと同等あるいは優れた発泡成形品を得るために樹脂やプロセスの開発が行われています.こうした中で二酸化炭素の特徴を上手に生かしたマイクロセルラープラスチックが発明され,今日に至るまで業界のトレンドの一つになっています。本セッションでは,SDGsを志向した成形加工技術として再び脚光を浴びている超臨界・発泡成形技術について,発泡成形,基礎物性,計測技術,混練,めっき,染色,塗布・コーティング,新技術等々の講演を広く募り,オープンで活発な議論を行いたいと考えています.
特別セッションIV
カーボンニュートラルを目指す次の100年のプラスチックを支える分析の科学と技術
高取永一(東ソー分析センター),笹倉真一(三井化学分析センター)
高取永一(東ソー分析センター),笹倉真一(三井化学分析センター)
工業化から約100年が経過したプラスチック(合成樹脂)は,現在,多くの社会インフラや輸送・貯蔵にプラスチック製品が使用されています.成形加工の過程や製品の使用過程における問題を解決するために,多くの機器分析が行われています.最近では,循環社会形成のためのリサイクルにおいても,機器分析は欠かせない科学・技術上のテーマになっています.成形加工で必要とされている分析技術や新たに成形加工に起用できる分析技術について,機器分析の範疇を広く解釈し,TEM・SEMなどの各種顕微鏡,各種検出器を用いたHPLC・GCなどのクロマトグラフィー,赤外・ラマン・テラヘルツ分光やNMRなどの分光学的方法,レオロジーなどの力学的手法によるプラスチック製品での分析について論じる講演を募ります.
特別セッションV
プラスチック資源循環とカーボンニュートラルを加速する成形加工
八尾滋(福岡大),松本拓也(神戸大)
八尾滋(福岡大),松本拓也(神戸大)
重篤な環境負荷問題から始まった廃棄プラスチックの処理にかかわる課題は,現在資源循環の視点から見直しが行われ,さらにカーボンニュートラルの実現に対してどのように対応するかが問われ,新たな解決手段が強く要求されています.2022年に施行された「プラスチック資源循環促進法」は,まさにこれらを実現するための新しい成形技術の提案を必要としており,本学会はそれに対する提言を行うことが求められています.本セッションでは、プラスチックの持つ本来の特性を引き出し,長期使用・長寿命化を実現する成形法,リサイクル特性を保証する新たな成形方法,単一素材化,易解体・分別を実現する製品設計,複数回のリサイクルを実現する高度な再生手法,リサイクルプラスチックを利用した製品,再生可能なバイオマスプラスチックの有効利用法,耐久性ならびに環境負荷の少ない生分解性プラスチックの開発,成形加工技術を応用したケミカルリサイクル手法,ならびにこれらの基盤を支える基礎研究などに関する講演を募集します.