プラスチック成形加工学会第35回年次大会

特別セッション

下記の5セッションを開催します。
 
特別セッションI
深化と進化、未来を創る両利きの射出成形技術
金藤芳典(三菱電機),大石武司(ヤマハ発動機),木村文信(東京大学),新川真人(岐阜大学),杉野直人(三光合成)
 射出成形は幅広い分野に適用されているプラスチック成形加工法であり、製品に求められる高付加価値や高機能性、高精度化等の要求にともない、その成形技術は着実に発展しています。さらに近年、環境負荷低減対応やDX等のデジタル技術適用も視野に入れた開発が求められています。射出成形は成形材料、金型、成形機等の各要素技術とともに金型内での樹脂挙動を着実に把握することが重要です。射出成形技術の発展には成形現象論の深化に基づいた技術開発が必要であり、深化と進化を同時に進めなければなりません。本セッションでは、成形技術、金型技術、可視化計測技術を中心に成形現象解析から新技術開発に関するご講演を通し、これからの射出成形技術に関する議論を実施できる場にしたいと考えております。多くの方のご講演ならびにご参加をお待ちしております。

 

特別セッションⅡ
未来を築く繊維強化プラスチック
村上岳(島津製作所),倉谷泰成(KADO),山田耕平(福井県工業技術センター)
 繊維強化プラスチックは、航空機・自動車等のモビリティや風力発電ブレード、圧力容器、建築資材等、様々な用途で使用されています。その理由として、繊維強化プラスチックは軽量であるため運用エネルギーの削減に繋がることは当然ですが、更には優れた強度・耐久性から長期的な運用が可能になり、部品を製造するエネルギーも削減できるためです。つまり、リサイクル性に富む素材、植物由来素材、生分解性素材と同様に、環境負荷を大幅に低減する効果が期待されています。近年はSDGs・環境保全の観点から、ますます研究開発が必要な材料と捉えられており、本セッションでは繊維強化プラスチックを構成する素材(強化繊維、マトリックス樹脂、繊維/樹脂界面、異種材との複合素材、リサイクル)、部品設計、成形加工、評価解析等に関する発表を募集します。


 

特別セッションIII
地球にやさしい環境調和材料・技術
阿多誠介(産総研)、林幹大(名古屋工業大)、渡邊宏臣(産総研)
 本セッションでは、プラスチックと成形加工に関する最新の研究と技術に焦点を当て、特に地球環境に配慮した素材や手法に関する発表を幅広く募集します。近年、環境に対する悪影響など、プラスチックのネガティブな側面が強調される場面がありますが、プラスチックは日常生活に不可欠な素材であり、プラスチックとともにある未来を構築してく必要があります。例えば、自動車分野でのプラスチックの利用は車両の軽量化を導くため、CO2排出の低減に寄与することができます。本セッションでは、環境調和型分子および重合設計やアップサイクルを含むリサイクル技術など、「プラスチックが持続可能な材料として発展するため」の研究テーマについて発表、議論する場を設けます。企業やアカデミアが抱える様々な課題や解決策の共有がなされ、プラスチックの新しいポジティブな側面を発掘できることを期待しています。 

 

特別セッションIV
MI、PIを利用するプラスチック成形加工の新時代
木原伸一(広島大学),小林直樹(三井化学)
,瀧健太郎(金沢大学),室賀駿(産総研)
 モノづくりは、自由な発想から生まれた数々の技を駆使し、形あるものを作り上げるプロセスであり、時代の最先端技術を取り入れることで発展し続けています。近年、大規模言語モデルが特異的に進展し、飛び石的な発想が標準的になるような世界観も生まれつつあります。他方で、脱炭素社会や資源循環型社会を最適解とする方針から、モノづくりの在り方も大きくかわる転換期になっています。このような背景から、本セッションは、本学会で継続的に開催しているマテリアル/プロセスインフォマティックス(MI/PI)に関係する特別セッションを引き継ぎ、各界から著名な研究者をお招きし、プラスチック成形加工のモノづくりにMI/PIがどう反映されていくのか等の議論を深める場を提供します。射出成形、押出成形、付加製造、リサイクル、プロセス監視、物性予測等とMI/PIとの有機的な繋がりを生む視点の講演を募集します。

 

特別セッションV
スポーツを進化させる成形加工
立石純一郎(アシックス),笹森哲弥(ミズノ)
 2024年はフランス・パリにてオリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中の人々がスポーツの素晴らしさを分かち合う機会となると同時に、スポーツを進化させる新しい技術を知り、享受するきっかけとなることでしょう。スポーツに関連する技術の進化は、トップアスリートのみならず、スポーツを楽しむ世界中の様々な人々のパフォーマンスに飛躍的な発展をもたらします。それらの多くは、革新的な材料や成形加工技術、さらには、新しい製造プロセスを適用することにより実現されるといっても過言ではありません。近年では、環境への配慮も重要な視点となっており、スポーツ分野での技術開発は、新しい知見を今以上のスピードで取り入れていくことが求められています。本セッションでは。シューズやウエア等のスポーツ用品をはじめ、スポーツに関わる産業の進化に貢献する材料や成形加工、製造プロセスに至る関連技術について議論したいと考えています。