[B-10-15] 量子乱数による信号ランダム化機構を組み込んだY-00光通信量子暗号の無中継伝送実験
キーワード:暗号通信、光ファイバ通信、量子雑音
通信データの保護には,AES等の暗号化アルゴリズムが利用されている.一方,暗号信号の傍受を阻止し高い安全性を目指す暗号化が研究されている.Y-00光通信量子暗号は,2値データを超多値の暗号信号光に変換し,暗号信号光を量子雑音(ショット雑音)の中に埋め,盗聴者の暗号信号光傍受を阻止する.Y-00暗号は,マスキング数(雑音に埋もれる暗号信号レベル数)が信号光パワーに依存し,光パワーが大きくなるとマスキング数が小さくなる.そのため,高い光パワーが必要なシステムへの適用や,光パワーが変動する増幅中継システムでマスキング数を大きな値に維持することが課題であった[1].これらを解決するため,量子雑音から生成した真性乱数で信号に強制的なゆらぎを与える量子DSR(QDSR)という手法を提案[2]し,光増幅中継伝送システムで安全性向上を実証した[3].本稿では,高い送信光パワーが必要な無中継光ファイバ伝送システムにQDSRを適用し,マスキング数を高められ,安全性の向上を示した実験[4]を報告する.
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