[C-6-1] ホウ素ドープアモルファスカーボン薄膜の諸特性
この講演は本会「学術奨励賞受賞候補者」の資格対象です。
キーワード:半導体、太陽電池、薄膜
本研究では、アモルファスカーボン(a-C)薄膜の導電型制御と抵抗率低減を目的に、III属元素であるBドーピングを試みた。RFマグネトロンスパッタ法により、ターゲットとしてグラファイト粉末:ドーパント粉末(B4CまたはB)= 99:1のモル比で混合・プレスしたものを用いてa-C(a-SC)薄膜を作製し、諸特性を評価した。ラマン分光測定の結果、ノンドープ試料、B4CおよびBドープ試料全てにおいて、a-SC由来のGおよびDピークの積分強度比IG/IDの変化はほぼなかった。B4CおよびBの混入に対して構造の変化がなかったものと考えている。抵抗率測定の結果、全ての試料で膜厚増加と共に抵抗率が急激に減少すること、ノンドープ試料に対しB4CおよびBドープ試料の減少は緩やかであることがわかった。光導電性について、暗時と明時のI-V測定における同電圧での電流比Ilight/Idarkを指標として評価した。ノンドープ試料では膜厚の増加とともにIlight/Idarkが低下したのに対し、B4CおよびBドープ試料は膜厚900nmまで高い値のまま低下しなかった。B4CおよびBドープ試料は抵抗率が高く、また良好な光導電性を示し、pin型ダイオードのi層として適しているものと考えている。
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