チュートリアル講演会
コンピュテーショナルフォトグラフィ
-符号化撮像、ライトフィールド、圧縮センシングなどの新しい画像センシングとその応用-
TS1: 6月7日(水) 9:45-11:15 (メインホール)
講師: 長原 一氏 (大阪大学)
平成8年 山口大・工・電気電子卒。平成10年 同大大学院理工学研究科博士前期課程了。平成13年 大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程了。同年日本学術振興会研究員として同研究科に所属。平成15年より大阪大学大学院基礎工学研究科助手。平成19年同研究科助教。平成22年より、九州大学大学院システム情報科学研究院准教授。平成17年 フランスピカルディ大学客員助教授。平成19-20, 28-29年 アメリカコロンビア大学客員研究員。平成29年より、大阪大学データビリティフロンティア機構教授。コンピュテーショナルフォトグラフィ、コンピュータビジョンの研究に従事。ACM VRST2003 Honorable Mention Award, 平成24年情報処理学会長尾真記念特別賞、 ICCP2016 Best Paper Runners-up Award, 平成28年度画像センシング技術研究会高木賞などを受賞。 IEEE、電子情報通信学会、情報処理学会、日本ロボット学会、映像情報メディア学会各会員。博士(工学)。概要:
従来のカメラの性能向上は、光学系やセンサの直接的な改良によりもたらされてきました。しかしながら、このようなハードウェアのみによる性能向上は現在限界を迎えつつあります。それに対して、コンピュテーショナルフォトグラフィは、光学・エレクトロニクスなどのハードウェア技術と、コンピュータグラフィクス・ビジョンなどのソフトウェア技術を組み合わせ、画像計測パイプライン全体の最適化を行う新たなアプローチです。このアプローチより、ハードウェアあるいはソフトウェア、一方の改良では不可能であった課題を解決することで、カメラの性能向上を図ります。本チュートリアルでは、カメラの光学PSFやセンサのサンプリングタイミングをハードウェア制御することで符号化画像を計測し、計算機上で符号化画像をソフトウェア復号・推定することで、安定に全焦点や奥行き画像、ライトフィールド、高速動画を生成する手法を実装例とともに解説します。こんな方にお薦め
- コンピュテーショナルフォトグラフィの動向を知りたい方
- シビヤな撮影環境での画像計測を行なっている方
- 新たな画像計測手法に興味のある方
物体検出・セグメンテーション
- 最新動向の紹介と実問題に対する応用について-
TS2: 6月7日(水) 11:30-13:00 (メインホール)
講師: 齋藤 真樹氏 (プリファードネットワークス)
2011年東北大学物理学科卒業。2013年同大大学院情報科学研究科修士課程修了。独立行政法人日本学術振興会 特別研究員(DC2)。2016年に同大大学院同研究科博士課程を修了し、株式会社プリファードネットワークスに入社。現在に至る。グラフィカルモデルに関する効率的な最適化手法の研究や、深層学習を用いた生成モデルの研究に従事。東北大学大学院情報科学研究科 研究科長賞受賞。博士(情報科学)。概要:
コンピュータビジョンの研究成果を、現在抱えている実問題に応用し製品化する場合、アルゴリズムの単純な移植だけでは上手く動かない場合が多く存在します。本チュートリアルでは、物体検出・セグメンテーション研究の最新動向を紹介・俯瞰しつつ、それらの研究成果を実問題で効果的に用いるためのアプローチについても、実例を通して紹介します。こんな方にお薦め
- 手書き数字の識別に飽きた方
- 実問題への応用を考えているが、どのように解くべきかわからない方
- 物体検出、セグメンテーション分野を俯瞰したい方
医用画像処理の基礎と最近の動向
-非剛体位置合わせと多元計算解剖モデル-
TS3: 6月8日(木) 9:00-10:30 (メインホール)
講師: 本谷 秀堅氏 (名古屋工業大学)
1993年東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻修士課程修了、同年より1996年まで東芝研究開発センター、1996年〜2000年東京大学工学部計数工学科助手、2000年〜2004年山形大学工学部助教授、2004年〜2010年名古屋工業大学助教授、2011年〜同大学教授、現在に至る。この間、2010年 UCLA研究員。概要:
診断や治療などの医療行為を支援する上で最も有用な医用画像処理の一つが、医用画像の各臓器領域への分割です。そして、臓器領域分割のための最も基礎的な方法が、臓器形状の個体差を表現する統計モデルを構築し、そのモデルを画像へと非剛体位置合わせする手法です。このモデル構築法や画像との位置合わせ法の基礎を本講演では紹介します。併せて、近年進行している多元計算解剖プロジェクトで扱っている、医用画像処理の新しい試みを幾つか紹介します。こんな方にお薦め
- 医用画像処理に興味のある方
- 画像と画像の位置合わせに興味のある方
- モデルと画像の位置合わせに興味のある方
- 画像から統計モデルを作ることに興味のある方
自律型自動運転自動車における認知・判断技術
-オンボードセンシングからパスプランニングまで-
TS4: 6月9日(金) 9:00-10:30 (メインホール)
講師: 菅沼 直樹氏 (金沢大学)
2002年金沢大学大学院博士課程修了。博士(工学)。2002年日本学術振興会特別研究員PDを経て、同年金沢大学工学部助手に着任。2015年より異分野融合の研究を主任務とする金沢大学新学術創成研究機構に移籍し、現在同機構自動運転ユニット ユニットリーダー、准教授を務める。1998年から自動運転自動車の研究を開始し、2015年からは国内の大学として初となる市街地での公道走行実験も開始。2016年 堀場雅夫賞 受賞概要:
近年自動運転自動車に大きな注目が集まっています。自動運転自動車では従来ドライバが行っていた認知判断操作を車載センサ、コンピュータ、アクチュエータにより代替します。これにより事故原因の大きな割合を占めるドライバの運転ミスに起因する事故が防止できる、また、公共交通機関として導入することでモビリティに関する諸問題の解決が可能となる可能性を秘めています。本講演では、講演者がこれまでに開発してきた自律型自動運転システムを1例として、自動運転自動車における認知・判断技術について解説を行います。また、著者が国内の大学で初の試みとして実施中の公道走行実験の概要と成果についても言及します。こんな方にお薦め
- 自動運転自動車の開発動向について知りたい方
- 自律型自動運転の技術に興味のある方
- 車載センサ(オンボードセンサ)による各種認識技術に興味のある方