○浦中桂一 (東京医療保健大学大学院看護学研究科)
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シンポジウム
The 10th Annual Conference of Japan Primary Care Association » シンポジウム
[S10] プライマリ・ケア領域で活躍する診療看護師
Sat. May 18, 2019 3:00 PM - 4:30 PM Room 8 (1F Room C-2)
座長: 久保 徳彦 (国立病院機構 別府医療センター 総合診療科)、志水 太郎 (獨協医科大学 総合診療医学)
【開催の目的】 超高齢社会、医療の高度化、在宅医療の推進などを背景に、2014年に医療介護総合確保推進法が成立し、「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設された。実践的な理解力や思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる21区分38行為を、厚生労働省が特定行為と指定した。研修を受けた看護師は手順書下で特定行為を行うことが認められており、特定行為の研修を一つでも受けた看護師は特定看護師とされるが、大学院修士課程で幅広く複数の特定行為の研修を受け、資格認定試験に合格すると診療看護師(NP)の資格が与えられる。
米国Nurse Practitioner(NP)は1965年に誕生し50年以上の歴史があり、大学院修士課程で資格を取り、医師と協働して患者を診療し処方を含む医行為を実施している。日本では米国NP同様の活動はできないが、医師と連携し診療に携わる役割を担っている。診療看護師は日本版NPであり、看護師5年以上の経験と大学院修士課程で得た医学・薬理学の知識をもつだけでなく、複合的な疾患や症状のある患者を総合的に評価し、特定行為を実施する技術をもつ。現在日本では、クリティカル領域とプライマリ領域(老年・小児)の診療看護師がおり、幅広い症状や疾患をもつ患者に対し、医師と連携し生活モデルを重視した医療の提供ができる。今後、チーム医療として医師と診療看護師が連携し活動することにより、診療全体が効率的に動くと考えられる。
本シンポジウムでは、はじめに浦中桂一先生から診療看護師について総論的解説をいただく。次に伏見聖子先生から都市部の急性期総合病院における診療看護師の役割について、芹田晃道先生から僻地における診療看護師の役割について、樋口秋緒先生から訪問診療における診療看護師の役割について、廣瀬福美先生から老健施設における診療看護師の役割についてご講演をいただき、最後に和泉泰衛先生に今後どのように診療看護師はプライマリ・ケアで活躍できるか将来の可能性と展望についてご講演をいただく予定である。講演を通して、診療看護師に対する新たな認識と、診療看護師を身近に感じる契機になれば幸いである。
【概要】
○伏見聖子1, 山下愛1, 土田智江1, 岡島淳志1, 芝寿季1, 高松純平2 (1.関西労災病院 救急科診療看護師, 2.同院 重症治療部ICU部長)
○芹田晃道 (高梁市国民健康保険成羽病院地域医療部)
○樋口秋緒 (医療法人北晨会 恵み野訪問看護ステーション はあと)
○廣瀬福美 (社会医療法人 小寺会 介護老人保健施設 鶴見の太陽)
○和泉泰衛 (国立病院機構 長崎医療センター 総合診療科)