○岩田健太郎 (神戸大学大学院医学研究科 感染治療学)
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シンポジウム
The 10th Annual Conference of Japan Primary Care Association » シンポジウム
[S11] HPVワクチンに関するシンポジウム~日本プライマリ・ケア連合学会の医師としてなすべきことは?
Sat. May 18, 2019 4:45 PM - 6:15 PM Room 3 (2F Room B-1)
座長: 鈴木 富雄 (大阪医科大学附属病院 総合診療科)
【開催の目的】 平成25年4月に予防接種法に基づき定期接種化されたヒトパピローマウイルスワクチン(以下、HPVワクチン)が、接種後の『多様な症状』の報告により同年6月に接種勧奨が差し控えられ、5年以上が経過した。子宮頸がんは若年女性を中心として年間約10,000人が発症し、年間死亡者数は3,000人に達し、死亡者数が増加傾向にあり、予防対策が急務となっているが、定期接種対象だった平成6〜11年度生まれのHPVワクチン接種率が約70%であったのに対し、平成12年度生まれ以降では接種率が1%以下に激減している。「積極的勧奨」が差し控えられたのが大きな原因の一つと考えており、現在多くの女性が子宮頸がんのリスクにさらされたままになっている。日本プライマリ・ケア連合学会では平成30年3月にHPVに関する特別委員会を立ち上げ、委員会の審議を通じ、各種のエビデンスを集め、様々な立場からの情報を集約し、理事会での審議と承認を得て、本ワクチンの「積極的勧奨」を再開すべきと考え、政府、一般の医師、一般の対象者という三者に対して、3つの声明を公表した。これらの声明作成段階における委員会での議論そのものが、ワクチンを含む予防医療のあり方やプライマリ・ケア領域の医師の姿勢などに関して、極めて示唆に富み論考に値するものとなっている。今回は3つの声明の内容と作成過程での議論の共有を行った上で、パネラーの各識者の方々と共に、学会としての今後の展開(接種に関しての情報提供やネットワークの構築、副反応への十分なサポート体制、接種後の追跡調査への協力など)を考えていきたい。
【概要】 本シンポジウムでは感染症専門医、医療人類学者、新聞社編集委員、ワクチン接種後の多様な症状を来す小児診療に従事する小児科医、それぞれの立場からHPVワクチンに関する現時点での問題と今後我々のなすべきことを語っていただき、会場を巻き込んだ本学会ならではの風通しの良い議論の場を創りたい。
○磯野真穂 (国際医療福祉大学大学院保健医療学専攻)
○安藤明夫 (中日新聞編集委員(医療担当))
奥山伸彦 (JR東京総合病院)