10:15 AM - 10:30 AM
[S03-04] Estimation of block boundary around the base of the Izu Peninsula by soft clustering of GNSS data
本研究では、複数の先行研究(e.g., Loveless and Meade, 2010; Nishimura, 2011)で設定にバラつきのあった、伊豆半島基部のブロック境界の位置を、国土地理院のGNSSデータ(水平成分)に基づいて推定する。手法として、近年導入が進んでいるクラスター分析(e.g., Simpson et al., 2012; Savage, 2018; Takahashi et al., 2019)を用いる。特に、各観測点データを1つのクラスターへ完全に所属させることなく、各クラスターへの帰属度を推定するソフトクラスタリング法を適用することで、どのクラスターに所属するかが曖昧なデータを除去することを可能にした。GNSSデータの期間として、1997年5月-2000年5月、および、2007年1月-2011年1月の2期間に着目する。この2期間の合間には、東海スロースリップイベントや三宅島周辺の火山活動、2004年紀伊半島沖地震の余効変動などの非定常変動が、同地域の地殻変動に大きな影響を及ぼしている。
本州側のブロック数を3としたソフトクラスタリング分析を行い、いずれかのブロックへの帰属度が高い観測点のみを表示した結果を図に示す。上記イベント前後の2期間において、ブロック同士の境界の位置は不動とみなせることがわかった。ブロックは、「伊豆半島南部」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」「伊豆半島基部東~相模湾北岸」の3つとなった。既往研究とは異なり、伊豆半島の北側(いわゆる衝突域)ではなく、伊豆半島南部と北部を分断するような境界が推定された。地表地形としては、水抜-与市坂断層や達磨山断層に対応している。また、「伊豆半島南部」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」ブロックの境界と、「伊豆半島基部東~相模湾北岸」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」ブロックの境界は、伊豆東部火山群付近で交わることもわかった。「伊豆半島南部」ブロックのアムールプレートに対するオイラー回転を推定したところ、2期間に有意な差は見られなかった。同地域のブロック運動は現在安定していると考えられる。
本州側のブロック数を3としたソフトクラスタリング分析を行い、いずれかのブロックへの帰属度が高い観測点のみを表示した結果を図に示す。上記イベント前後の2期間において、ブロック同士の境界の位置は不動とみなせることがわかった。ブロックは、「伊豆半島南部」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」「伊豆半島基部東~相模湾北岸」の3つとなった。既往研究とは異なり、伊豆半島の北側(いわゆる衝突域)ではなく、伊豆半島南部と北部を分断するような境界が推定された。地表地形としては、水抜-与市坂断層や達磨山断層に対応している。また、「伊豆半島南部」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」ブロックの境界と、「伊豆半島基部東~相模湾北岸」「伊豆半島北部~駿河湾西岸」ブロックの境界は、伊豆東部火山群付近で交わることもわかった。「伊豆半島南部」ブロックのアムールプレートに対するオイラー回転を推定したところ、2期間に有意な差は見られなかった。同地域のブロック運動は現在安定していると考えられる。