5:00 PM - 6:30 PM
[S07P-08] Po/So waves traveling in the Atlantic Ocean
Po/So波は、海洋リソスフェアを選択的に伝播する特殊な地震波で、高周波・大振幅・長継続時間という特徴をもつ。このような際立った特徴から、その存在は1940年代から知られており、ガイド波の一種と考えられていたがその励起・伝播メカニズムの詳細は明らかにされていなかった。
我々は、Shito et al. [2013]において、北西太平洋で観測されたPo/So波の波形解析と地震波動場の数値シミュレーションにもとづき、Po/So波は海洋リソスフェア内部の層状不均質構造によりP/S波が多重前方散乱することにより励起・伝播することを明らかにした。
以降、Po/So波の解析による海洋リソスフェアの内部構造の推定が、我々のグループやオーストラリアのKennett博士らのグループを中心に進められ、太平洋とその縁海であるフィリピン海の海洋リソスフェアの層状不均質構造について詳細に調べられ、以下のようなことが明らかになった。
(1)年代が古い海洋リソスフェアほどPo/So波の伝播効率が高い。
(2)年代に依存して高くなるPo/So波の伝播効率は、冷却により層状不均質構造を含む海洋リソスフェアの厚みが増すこと、地震波減衰が小さくなることで説明できる。
(3)層状不均質構造のパラメターは、水平方向の空間スケール(Ax)=10 km・鉛直方向の空間スケール(Az)=0.5 km・地震波速度不均質の強度(σ)=±2%程度である。
(4)地震波速度不均質の強度は深さとともに上昇する [Kennett & Furumura, 2015 ]。
しかしながら、これまでのPo/So波に関する研究のほとんどは、太平洋およびフィリピン海の海洋リソスフェアを伝播するものについてのみであり、その他の海洋リソスフェアを伝播するPo/So波に関する研究はほとんどなされていない。海洋地殻の内部構造は海嶺での拡大速度に依存して変化することが知られているため、高速拡大の太平洋と低速拡大の大西洋やインド洋とでは海洋リソスフェアの層状不均質構造も異なっている可能性があり、これを検証することはその成因を解明するうえで重要である。
そこで、本研究では大西洋を伝播するPo/Soの観測データを収集しその特徴について整理し、大西洋の海洋リソスフェアの層状不均質構造についての検討を行う。
我々は、Shito et al. [2013]において、北西太平洋で観測されたPo/So波の波形解析と地震波動場の数値シミュレーションにもとづき、Po/So波は海洋リソスフェア内部の層状不均質構造によりP/S波が多重前方散乱することにより励起・伝播することを明らかにした。
以降、Po/So波の解析による海洋リソスフェアの内部構造の推定が、我々のグループやオーストラリアのKennett博士らのグループを中心に進められ、太平洋とその縁海であるフィリピン海の海洋リソスフェアの層状不均質構造について詳細に調べられ、以下のようなことが明らかになった。
(1)年代が古い海洋リソスフェアほどPo/So波の伝播効率が高い。
(2)年代に依存して高くなるPo/So波の伝播効率は、冷却により層状不均質構造を含む海洋リソスフェアの厚みが増すこと、地震波減衰が小さくなることで説明できる。
(3)層状不均質構造のパラメターは、水平方向の空間スケール(Ax)=10 km・鉛直方向の空間スケール(Az)=0.5 km・地震波速度不均質の強度(σ)=±2%程度である。
(4)地震波速度不均質の強度は深さとともに上昇する [Kennett & Furumura, 2015 ]。
しかしながら、これまでのPo/So波に関する研究のほとんどは、太平洋およびフィリピン海の海洋リソスフェアを伝播するものについてのみであり、その他の海洋リソスフェアを伝播するPo/So波に関する研究はほとんどなされていない。海洋地殻の内部構造は海嶺での拡大速度に依存して変化することが知られているため、高速拡大の太平洋と低速拡大の大西洋やインド洋とでは海洋リソスフェアの層状不均質構造も異なっている可能性があり、これを検証することはその成因を解明するうえで重要である。
そこで、本研究では大西洋を伝播するPo/Soの観測データを収集しその特徴について整理し、大西洋の海洋リソスフェアの層状不均質構造についての検討を行う。