3:15 PM - 3:30 PM
[S14-04] Reinvestigation of correlation between groundwater anomalies and earthquakes carried out by an amateur network “Namazu-no-kai” in Japan
1976年に設立された「なまずの会」は、地震予知を目指した一般民間人による地下水観測のグループである。多いときには、神奈川県・東京都・静岡県を中心に、のべ200以上の個人や団体が参加していた。「なまずの会」では主に浅井戸の水位観測が行われ、観測者は定期的に観測結果をハガキで事務局へ報告し、神奈川県温泉地学研究所報告(観測だより)でデータが公表されていた。このデータは観測者ごとに分けられ、日毎に異常あり・なしの形で示されている。この形式のデータは、1977年2月から1987年12月までの10年10ヶ月分が残っている。期間中に地震先行異常を捉えたとされる地震は、1978年の伊豆大島近海地震(M7.0)、同年の宮城県沖地震(M7.4)などである。これらの地下水異常と地震との関係については、Oki and Hiraga (1988) などで既に紹介されている。しかし、いずれも地震前に着目した分析が中心であった。そこで、本研究ではマグニチュード(M)6.0以上M6.5未満の地震は、観測点から半径100km以内、M6.5以上M7.0未満は半径150km以内、M7.0以上M7.5未満は半径200km以内、M7.5以上M8.0未満は半径250km以内で発生した地震を対象にして、地震前の異常あり・なし、異常後の地震あり・なしを調べた。その結果、地震前の異常があった観測点の割合は、全体の3〜4割程度であった。また、対象となる19個の地震について、地震7日前までに地下水異常があった地震は10個だった。仮に好成績観測点の基準をAAR (Anomaly Appearance Rate: 予知率)≧50%、かつEOR (Earthquake Occurrence Rate: 適中率)≧50%、かつ確率利得≧20、かつp値≦5.0% とした場合、6観測点(全体の4.5%)がそれに該当した。
謝辞:本研究は東京大学地震研究所共同利用(2019-Y-地震(中短期予測)2)の援助をうけました。
謝辞:本研究は東京大学地震研究所共同利用(2019-Y-地震(中短期予測)2)の援助をうけました。