Seismological Society of Japan Fall Meeting

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Room A

General session » S15. Strong Ground Motion and Earthquake Disaster

[S15]PM-3

Mon. Sep 16, 2019 4:00 PM - 5:15 PM ROOM A (Clock Tower Centennial Hall)

chairperson:Naoki Hayashimoto(Japan Meteorological Agency), Kenji Kanjo(Takamisawa Cybernetics Co.Ltd.)

4:00 PM - 4:15 PM

[S15-14] Utilization of OBS data for Earthquake Early Warning

*Naoki Hayashimoto1, Jun Akutagawa1, Keishi Noguchi1, Ken Moriwaki1, Masahiko Morimoto1, Kuninori Okamoto1, Yuki Kodera2, Koji Tamaribuchi2, Mitsuyuki Hoshiba2, Takeshi Nakamura3, Takashi Kunugi3, Shin Aoi3 (1. Japan Meteorological Agency, 2. Meteorological Research Institute, 3. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience)

気象庁では令和元年6月27日より、国立研究開発法人防災科学技術研究所が運用している「日本海溝海底地震津波観測網(S-net)」および「地震・津波観測監視システム(DONET)」の観測データの緊急地震速報への活用を開始した。
海底地震計のデータは、海域で発生する地震に対して情報発表の迅速化に寄与することが期待される反面、陸上の観測点とは異なる設置環境や地盤特性に起因した地震波の増幅や、地震計が傾くことによって地震による揺れが過大に観測されるなどといった海底地震計特有の課題に対処する必要があった。本発表では、海底地震計データの活用のために実施した自動処理での対策と活用による効果について紹介する。
緊急地震速報では地震波を観測してから可能な限り早く情報を発表するため、発表する処理中枢の処理だけではなく、個別の観測点で自動処理(地震波の検測や到来方向の推定、最大振幅の算出など)を実施している。観測点での処理において、S-netは地震計の3成分が任意の方向を向いていることから各成分の回転補正が必要となる。加えて、特に強震動に見舞われた際には、揺れの途中で地震計の姿勢がわずかに変化し、重力加速度成分が地震動中に加速度オフセット変化として混入することがある。海底地震計の観測点処理においては、これらの異常を検知する処理を搭載し、中枢側に送信する情報に追加した。また、中枢側では、海底地震計データの振幅値をマグニチュード(M)計算に安定的に取り込むため、上下動変位M(林元・他、2019)の利用や、海底地震計においては多点で有効な振幅が得られるまで当該観測点での地点MをM計算の統計処理に参加させないなどといった異常振幅対策を実装した。
発表では、実事例をもとに海底地震計データの活用の効果について紹介する予定である。