日本地震学会2019年度秋季大会

講演情報

C会場

緊急セッション » S24. 2019年6月18日山形県沖の地震

[S24]PM-2

2019年9月17日(火) 15:15 〜 16:30 C会場 (総合研究8号館NSホール)

座長:内田 直希(東北大学 理学研究科)、佐藤 比呂志(東京大学地震研究所)、野津 厚(港湾空港技術研究所)

16:15 〜 16:30

[S24-11] 2019年6月18日山形県沖の地震前後の地震雲に関する「つぶやき」から考えるツイッターユーザーの科学リテラシー

*織原 義明1 (1. 東海大学海洋研究所)

2019年6月18日22時22分頃、山形県沖でマグニチュード(M)6.7(暫定値)の地震が発生し、新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱を観測した。6月21日の朝に秋田魁新報社と共同通信社は、「地震雲?18日夕方に目撃情報 太い棒状の雲、由利本荘市で」といったタイトルのWeb news を配信した。これに対してTwitter上では地震雲を配信したメディアを批判するツイート(つぶやき)がみられた。そして、両社は短時間でこの記事の配信を取りやめた。記事の配信を取りやめたことと、Twitter上における批判的ツイートとの因果関係は明らかではないが、大半のTwitterユーザーは地震雲の記事を配信した既存メディアを批判していた。
Yahoo!リアルタイム検索は、Twitterに投稿されたツイートをキーワードから検索できるサービスである。本稿ではこのサービスを利用して、山形県沖の地震後に「地震雲」を検索した。そして、地震が発生した6月18日の前後3日を含む計7日間の記録から、地震前後のツイートの変化を調べた。ツイート数は地震翌日の19日に4000件以上と、地震前に比べ2〜3桁増えていた。また、ツイートの内容を大まかに地震雲に対して肯定的、否定的、どちらともいえない、の3つに分類した場合、地震発生前は肯定的なツイートの割合が比較して多かったが、地震後は否定的なツイート割合が大半を占める結果となった。このことから、Twitter上では常時見られる地震雲のツイートに対して、山形県沖の地震発生後には地震雲肯定派の主張を封じ込めようとする動きが活発化していたといえる。

謝辞:本研究は東京大学地震研究所共同利用(2019-Y-地震(中短期予測)2)の援助をうけました。