The 2021 SSJ Fall Meeting

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Room D

Regular session » S03. Crustal deformation, GNSS, and gravity

PM-1

Thu. Oct 14, 2021 2:00 PM - 3:00 PM ROOM D (ROOM D)

chairperson:Tomokazu Kobayashi(Geospatial Information Authority of Japan), Yusaku Tanaka(Earthquake Research Institute, University of Tokyo)

2:30 PM - 2:45 PM

[S03-03] Detection of shallow SSE off the Kii Peninsula by onshore borehole strainmeter

〇Satoshi ITABA1, Kazuaki OHTA2, Hiroshi HASEGAWA3 (1.AIST, 2.NIED, 3.JMA)

2020年12月上旬から翌1月下旬にかけて,紀伊半島沖熊野灘において活発な浅部微動活動が観測された[太田ほか, 2021].2020年12月中旬~翌1月中旬にかけては,産総研のボアホール歪観測3点においてわずかな変化が観測された.観測された歪変化からプレート境界面上におけるすべりを仮定して断層面を推定したところ,微動発生域のうち西側・深部側においてMw6.2のすべりが推定された(図1 model A).微動発生域全体がすべったと仮定して断層面を推定したところ,その規模はMw6.6と推定された(図1 model B).

海域のボアホールにおける間隙水圧観測などによると,この領域では繰り返し浅部SSEが発生していることが報告されている[Araki et al., 2017].観測条件が良好な場合(SSEの規模が大きい,降雨・気圧変化が少ない,深部SSEが発生していない等)については陸域のボアホール歪観測でも有意な変化が検出され断層モデルの推定が可能であることが分かっている(例えば2016年4月).スタッキング手法[宮岡・横田, 2012]を用いて過去の観測波形を網羅的に調査したところ,これらのイベント以外にもいくつかの浅部SSE発生の可能性がある事例が検出された.陸域の観測網は,浅部SSE発生領域からは大きく離れており,海溝軸(dip)方向へのすべりの広がりを把握することは困難である.一方でstrike方向の広がりなど,大まかな全体像を把握するには有用であると考えられる.

本講演では,上述の2020年末~2021年初めのイベントのほか,いくつかの浅部SSE検出事例を紹介する.

参考文献
Araki, E., D. Saffer, A. Kopf, L. M. Wallace, T. Kimura, Y. Machida, S. Ide, E. Davis, IODP Expedition 365 shipboard scientists (2017), Science, 356(6343), 1157-1160, doi:10.1126/science.aan3120.
太田和晃, 松澤孝紀, 汐見勝彦 (2021), 紀伊半島南東沖の微動活動(2020年12月~2021年1月), 地震予知連絡会会報, 106, 印刷中.
宮岡一樹, 横田崇 (2012), 地殻変動検出のためのスタッキング手法の開発-東海地域のひずみ計データによるプレート境界すべり早期検知への適用-, 地震2, 65, 205-218.