15:30 〜 17:00
[S06P-04] Double-Difference Tomography法を用いた白山火山下の三次元速度構造推定
1. はじめに
白山火山はフィリピン海プレートの沈み込み開始に伴い、流体起源が太平洋プレートからフィリピン海プレートに推移した活火山である。最終噴火記録は1659年であり、その後の経過時間の長さから長期的にはいつ活動を再開してもおかしくなく、現在は山頂直下での群発地震が度々観測されている。白山火山に焦点を当てた地震波トモグラフィー(高橋・他, 2004)では、深さ10〜14 km付近にマグマ溜り、その深部に下部流体域が推定されているが、このマグマ供給系について詳細に明らかにされているとは言い難い。そこで本研究では、Double-Difference Tomography法を用いて白山火山周辺の3次元速度構造を推定し、マグマ供給系に関する新たな情報を得ることを目指す。
2. データと方法
気象庁一元化震源カタログに記載されている、2010年から2020年に発生した3590個の地震 (東経135.5-139度,北緯34.5-37.5度,震源深さ0-500 km, 2.0≦Mj≦9.0),の験測値データを用いた。以上の地震と、全地震データから半径150 km以内の常時観測点を用いて連係震源決定(JHD) 法(Kissling et al. (1994))により一次元速度構造を決定した。地震波トモグラフィーにはDouble-Difference Tomography法(Zhang and Thurber, (2003))を用いた。これにより先行研究より震源が集中している地域においての解像度の上昇を図ることができる。また、チェッカーボードテストにより解像度を検討した。
3. 結果
得られた地下速度構造について、先行研究で発見された深さ10~14kmの低速度・高Vp/Vs領域に加え、今回は深さ6~10kmでP波低速度(-9%程度), S波低速度(-8%程度)領域を発見できた。また、この領域におけるVp/Vs値が1.68だったことから、先行研究に新たな解釈を加えることが必要だと考えられる。この特徴から水に富む領域が存在するのではないかと推測できるが、今後更なる考察を行なっていく予定である。
4. 謝辞
解析には気象庁一元化震源カタログを使用させて頂きました。解析について、東京大学地震研究所の行竹洋平博士にご助言いただいた。記して感謝いたします
白山火山はフィリピン海プレートの沈み込み開始に伴い、流体起源が太平洋プレートからフィリピン海プレートに推移した活火山である。最終噴火記録は1659年であり、その後の経過時間の長さから長期的にはいつ活動を再開してもおかしくなく、現在は山頂直下での群発地震が度々観測されている。白山火山に焦点を当てた地震波トモグラフィー(高橋・他, 2004)では、深さ10〜14 km付近にマグマ溜り、その深部に下部流体域が推定されているが、このマグマ供給系について詳細に明らかにされているとは言い難い。そこで本研究では、Double-Difference Tomography法を用いて白山火山周辺の3次元速度構造を推定し、マグマ供給系に関する新たな情報を得ることを目指す。
2. データと方法
気象庁一元化震源カタログに記載されている、2010年から2020年に発生した3590個の地震 (東経135.5-139度,北緯34.5-37.5度,震源深さ0-500 km, 2.0≦Mj≦9.0),の験測値データを用いた。以上の地震と、全地震データから半径150 km以内の常時観測点を用いて連係震源決定(JHD) 法(Kissling et al. (1994))により一次元速度構造を決定した。地震波トモグラフィーにはDouble-Difference Tomography法(Zhang and Thurber, (2003))を用いた。これにより先行研究より震源が集中している地域においての解像度の上昇を図ることができる。また、チェッカーボードテストにより解像度を検討した。
3. 結果
得られた地下速度構造について、先行研究で発見された深さ10~14kmの低速度・高Vp/Vs領域に加え、今回は深さ6~10kmでP波低速度(-9%程度), S波低速度(-8%程度)領域を発見できた。また、この領域におけるVp/Vs値が1.68だったことから、先行研究に新たな解釈を加えることが必要だと考えられる。この特徴から水に富む領域が存在するのではないかと推測できるが、今後更なる考察を行なっていく予定である。
4. 謝辞
解析には気象庁一元化震源カタログを使用させて頂きました。解析について、東京大学地震研究所の行竹洋平博士にご助言いただいた。記して感謝いたします