13:45 〜 14:00
[S09-13] 長野県西部地域で発生したM3.7の地震の前震活動とその発生要因について
長野県西部地域では1995年6月から稠密地震観測網が展開されていて,観測点は1984年に発生した長野県西部地震の余震域の東部を中心に設置されている.その中で10kHzのサンプリング周波数でデータを記録しているものが最大で57ヶ所に設置された.この地域で発生する地震は震源が浅いものが多く,さらに観測点の周囲が静かでノイズレベルが小さいため,多数の微小地震データが得られている.
1999年4月5日に,この観測網の内側でM3.7の地震が発生した.また,その震源付近ではその発生の10日以上前から活発な地震活動が見られた.
各地震の破壊開始点について高精度な相対震源決定を行うために,この稠密地震観測で得られた10kHz波形データを使用し,各観測点における2つの地震のP波到達時刻の差を,P波初動のみを含むような0.01秒幅のウインドウを使って相互相関により求めた.そのようにして求めたP波到達時刻の差を用いて,Ito (1985) を参考に相対震源決定を行った.
震源再決定の結果,M3.7の地震の震源に向かって地震活動が移動していく様子が確認された.また,その震源分布には空間的なギャップがあり,この地震活動は地震の発生に伴う応力変化だけでは説明できない可能性がある.さらに,これらの地震は平面的には発生しておらず,非地震性すべりがこの地震活動の原因である可能性は低い.
1999年4月5日に,この観測網の内側でM3.7の地震が発生した.また,その震源付近ではその発生の10日以上前から活発な地震活動が見られた.
各地震の破壊開始点について高精度な相対震源決定を行うために,この稠密地震観測で得られた10kHz波形データを使用し,各観測点における2つの地震のP波到達時刻の差を,P波初動のみを含むような0.01秒幅のウインドウを使って相互相関により求めた.そのようにして求めたP波到達時刻の差を用いて,Ito (1985) を参考に相対震源決定を行った.
震源再決定の結果,M3.7の地震の震源に向かって地震活動が移動していく様子が確認された.また,その震源分布には空間的なギャップがあり,この地震活動は地震の発生に伴う応力変化だけでは説明できない可能性がある.さらに,これらの地震は平面的には発生しておらず,非地震性すべりがこの地震活動の原因である可能性は低い.