[H007] マクロファージと棘皮動物の再生
棘皮動物の幼生の再生が促進される方法を発見することをテーマに、アカモミジヒトデ、サンリクオオバフンウニ、バフンウニを用いて実験を行った。マクロファージを減らすことで再生が遅くなったという論文から、マクロファージを活性化させることで再生が促進されると考えた。また、個体差を少なくするために実験には幼生を使用した。アカモミジヒトデ(Pseudarchaster parellii)とサンリクオオバフンウニ(Strongylocentrotus pallidus)の人工授精は国内で未だ試みられていないため、その方法を明らかにするとともに成長過程の観察を行った。発生したプルテウス幼生を用いて再生実験を行い、マクロファージを活性化させる効果があるLPS(リポポリサッカライド)を用いることで再生が促進されることが証明できた。しかし濃度の高いLPSは再生を促進させるとともに強い炎症を引き起こし、細胞死が起こった。