[CS1] 医療現場における実装されたDX
昨今、医療のデジタル化が進んできており、実証から実装まで様々な取り組みがアナウンスされている。しかしながら2004年にデジタルトランスフォーメーション(DX)を定義したストルターマン博士による「DXに至る3つのフェーズ」に鑑みると、現在の日本におけるデジタル医療は、第一フェーズであるデータ等をデジタル化する「デジタイゼーション」、次いで第二フェーズである業務プロセスをデジタル化する「デジタライゼーション」に留まり、継続的な実装による医療現場の運用の改革まで伴う第三フェーズの「デジタルトランスフォーメーション」にまで至っている取り組みは必ずしも多いわけではないと考えられる。本セッションでは様々なデジタル技術のインプリメンテーションによる医療現場改革を本気で推進する現場の取り組みと、それら技術の導入効果や実績などを講演頂き、明日からの業務変革に役立てる知見を共有する場としたい。東京慈恵会医科大学の高尾氏には、医療現場のスマートフォン導入を通じ、勤怠管理や遠隔診療、情報連携を通じた医療業務・研究の支援を実現されており、その導入の注意点や今後の展開について、NTT関東日本病院の村岡氏にはDX 推進病棟の導入による看護の質の向上や働き方改革を実現されており、その知見を、最後に名大病院スマートホスピタル構想を推進する大山氏にはIoTを用いた臨床工学技士の業務支援・運用改革やAI人材育成拠点を通じたDX 人材育成の取り組みについて共有いただく。