Japan Association for Medical Informatics

[CS4] 外部人材から見た病院情報システム導入・更新プロジェクト成功要因

*根本 大介1、*白井 潤2、*松下 学3 (1. 有限責任監査法人トーマツ、2. シップヘルスケアリサーチ&コンサルティング株式会社、3. 株式会社システム環境研究所)

 病院情報システム(HIS)は医療機器、建築・付属設備とともに必須の医療インフラとなっています。HISは導入時のみならず、その維持管理・数年毎の更新にも多くの費用と労力を要することから、持続可能性を考慮すべき経営課題としての側面が無視できません。

 また、HIS導入・更新プロジェクトでは大部分の病院職員が関与するため膨大な利害調整が発生し、費用、医療安全・質の向上、運用改善等、計画策定において検討すべき項目も多岐にわたります。特に、情報通信技術や製品の進化は早く、病院とベンダーの間で情報の非対称性が生じやすい領域でもあります。

 これらの課題を病院側の内部人材のみで解消することは容易ではなく、開発業務を受託したベンダー側の支援にも限界があります。

 その結果、多くのプロジェクトでは個別最適に陥り業務の全体最適が達成できない、導入後の活用が不十分となる、コスト面や時間の制約により機能が限定される等、病院・ベンダー双方にとって不満足な点が残るものとなりがちです。

 このような背景のもと、本セッションではHIS導入のコンサルティング業務を行う外部人材の視点からご講演頂き、HIS導入・更新を成功に導く上でどのようなアプローチが望ましいのか、成功要因や陥りやすい罠などについて知見を共有したいと考えています。