Japan Association for Medical Informatics

[2-B-1-OP1-4] 2型糖尿病患者および予備群向け自己管理支援アプリGlucoNoteの利用状況

児玉 和代1, 脇 嘉代1,2, 山口 聡子1, 藤生 克仁1, 木村 滋子1, 富澤 修子1, 永友 利津子1, 高野 暁乃1, 豊岡 継泰3, 中島 亮3, 門脇 孝2, 大江 和彦4 (1.東京大学大学院医学系研究科健康空間情報学講座, 2.東京大学医学部附属病院糖尿病・代謝内科, 3.株式会社NTTドコモライフサポートビジネス推進部, 4.東京大学大学院医学系研究科医療情報経済学分野)

【背景】我々は、糖尿病の予防・治療の為の医師が介在する2型糖尿病自己管理支援システム(DialBetics)を開発し、3ヶ月間の臨床試験にてHbA1cの有意な低下を報告した。現在、2型糖尿病患者および予備群の自己管理支援を目的とした人のサポートの無いiPhoneアプリ(GlucoNote)の臨床研究を実施中である。現状、自己管理支援の為のアプリは多数公開されているが、その効用について検討されているものはほとんどない。
【目的】2型糖尿病患者および予備群向けのアプリGlucoNoteの適切な支援確立の為に利用状況を解析する。
【方法】GlucoNoteの配布開始から1年間(3月14日-3月13日)、本アプリをダウンロードし、測定記録や情報の利用にアプリ上で同意した研究参加者739名のうち1回以上在宅測定データ(血糖値、血圧、体重、歩数)または食事を登録した362名の継続期間及び継続率の解析、登録開始時と最終登録時の体重、血圧、血糖値を解析した。
【結果】362名の平均観察期間は269.3±110日、継続期間は平均値48.8±87.7日、中央値5日であった。観察期間180日以上の291名の2日継続率は64.6%、180日継続率12.7%であった。2回以上登録した参加者の初回値と最終値をt検定で比較した結果、体重は有意な改善(p値0.00024)、収縮期血圧は改善傾向(p値0.062)をみとめた。体重変化量と継続期間は負の相関の傾向をみとめた。
【結論】3カ月継続率はDialBeticsの91.0%と比較して、GlucoNoteでは19.2%と極めて低かった。2回以上登録を行った参加者全体では体重の有意な改善と収縮期血圧の改善傾向がみとめられ、アプリ利用の効果が示唆された。
【結語】アプリの継続率を高め、効果を引きだす為の適切な介入方法を検討していく予定である。