Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-OP12-2] 遠隔セキュリティルームからスーパーコンピュータへの接続サービスの展開事例

長瀬 祥子1,2, 中村 直毅2,1, 伊藤 和哉2, 葭葉 純子2, 齊藤 智1, 木下 賢吾1, 冨永 悌二2,1 (1.東北大学 東北メディカル・メガバンク機構, 2.東北大学 医学系研究科)

東北メディカル・メガバンク機構(以下、ToMMo)では、全国各地に設けられるToMMoのセキュリティ要件を満たす遠隔セキュリティルームにおいて、シンクライアント端末からToMMoのスーパーコンピュータの一区画にアクセスする接続サービスの提供を2016年12月から開始している。
 著者らは平成28年度大学病院情報マネジメント部門連絡会議において、遠隔セキュリティルームの接続サービスを全国各地に展開するにあたり、1. 安全なネットワーク網の構築、2. 全国各地の大学や研究所など様々な組織へのサービス提供、3.サービス提供のための運用保守体制について比較・検討をおこない、サービス利用者が、所属組織のネットワーク管理者を頼らずに、簡単かつ安全に接続することができるアウトソーシングによるVPN接続サービスの展開について報告した。本サービスでは、NTT東日本が提供するフレッツVPNワイドとそのオプションサービスのレンタルルータを用いて、安全なネットワーク接続を東日本エリアにおいて展開した。しかし、西日本エリア(富山県、岐阜県、静岡県以西の30府県)へ本サービスを展開するためには、接続構成や運用体制などさまざまな課題を抱えていた。
 本稿では、ToMMoのスーパーコンピュータと遠隔セキュリティルームをネットワークで接続するVPN接続サービスを全国各地へ提供するためのネットワーク構築のうち、東日本エリアから西日本エリアへも拡張する際に検討したIP-VPN網の東西接続の問題を中心に、サービス提供のための回線費用や保守運用体制について比較・検討した内容を述べる。また、東日本エリアから西日本エリアへネットワークを拡張し全国均一となるネットワーク接続サービスを提供するための構築事例として、実際のサービス展開に至った過程と運用状況を報告する。