一般社団法人 日本医療情報学会

[2-C-2-JS3-2] 1回量入力 ~調剤機器ベンダーが果たすべき役割~

星野 修久 (株式会社トーショー)

平成22年1月の「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書」内において「処方せん記載の在るべき姿として【分量】は【一回量】を記載することを基本とする。但し、移行期間においては、【一日量】と【一回量】の併記でも可」との内容で通知がなされた。その後、平成27年に実施された「内服薬処方せんの記載方法標準化の普及状況に関する研究」の報告書では、既に6割近くの電子カルテ、オーダリングシステムベンダーが「【一回量】と【一日量】の同一画面表示、及び処方せんへの併記」はシステム的に対応済み(もしくは開発済み)との報告がされているにも関わらず、同報告書内の普及に関する研究のアンケート調査では、「【一日量】と【一回量】を処方箋に併記している」施設は全体の14%となっており、広く普及しているとは言い難い状況といえる。その理由として「システム対応ができていないから」が74.5%と非常に高くなっており、これには単純に電子カルテ、オーダリングシステムの更新時期のずれで導入されていない施設も多く含まれていると思われる。しかしながら、他方でシステムの更新タイミングがあったにも関わらず、様々な理由で【一回量入力の導入】を見送った施設も存在している。一般的に電子カルテ、オーダリングシステムは、他社の様々な部門システムと連携しており【一回量入力の導入】がその電文仕様にも大きな影響を与えると推察されるが、そもそも部門システム側では【一回量入力】の導入時には、実際にどの様な対応が必要で、どうあるべきなのかを再考してみる必要がある。本発表では、多くの電子カルテメーカーとの間で処方オーダー連携している調剤機器ベンダーの立場として【調剤機器ベンダーが果たすべき役割】を接続実績とその問題点を踏まえての考察を行う。