Japan Association for Medical Informatics

[2-E-3-OP15-2] 研究者のためのインハウス臨床研究データベースGeneralDataBaseの開発

渡辺 浩 (独立研究開発法人 国立長寿医療研究センター)

(開発の経緯と目的)当施設で進行中の研究基盤構築プロジェクトで今回「研究者のためのインハウス臨床研究データベース」ともいうべきGDBを開発し導入した。一般に研究者や部門独自のデータ集積は個別のデータベースシステム(Excelやファイルメーカーなど)で保管されていることが多い。これらの中には実際には研究者同士で共有化した方が効率的なことも多いデータ項目がある事は明白である。(問題点)しかしながらこれらの共有を妨げているのは「一部の項目は共有可能だがデータをすべて渡すわけにはいかない」「手続きが面倒」「患者実名が入ってしまっており、渡しにくい」などの事情と思われた。(方法)そこで病院系のネットワーク内にデータインポートに特化したシンプルなデータ構造のDBを構築した。(GDB:GeneralDataBase)データ構造を細分化した結果、患者IDと測定項目名と測定結果と日時程度の情報だけを持つレコードを、リレーションのほぼ無いテーブルに格納することで充分であることがわかった。これにExcelやファイルメーカーなどの外部データベースからのインポートが簡便に出来るようなインターフェースを構築した。部門データベースからGDBへのデータコピーは部門側から起動させる仕様とし、データを吸い取るような仕様にはしなかった。これにより研究者側の裁量権を尊重する形となった。さらにこの病院系のGDBは日次処理で患者情報が匿名化され、研究所内の情報系キャンパスネットワーク内に複製される仕組みを作った。(考察)現在データとしては高齢者総合評価指数CGA等データが既に数多く格納されている。当施設のバイオバンクの検体に付随させる修飾情報としてまずは使う予定である。今後は当施設における重要な研究用データバースのプロトタイプとなると思われる。