[2-E-3-OP15-6] バイオバンク病名登録の正確性向上の取り組み-NCVCバイオバンク-
【背景と目的】国立循環器病研究センターバイオバンクでは、患者検体と臨床情報の収集と提供を行っており、対象となる検体の件数などの把握のためにも、患者の病態を正確に反映した病名を登録する必要がある。本研究では、バイオバンク病名登録の正確性向上の取り組みについて報告する。
【方法】病名登録にあたり、1) すべての病名は主病名・併存病名・続発病名のいずれかに分類する、2) 必要に応じ病名に「既往」・「術後」・「疑い」をつける、3) 遺族から同意取得した時は死亡診断書の書式に準じ登録する、4) 妊婦から同意を取得した時は児の病名も登録する、との指針を作成した。また、担当する診療情報管理士で登録が困難な場合は、医師と共に病名を決定することとした。
これらの指針に従った病名登録を効率的に行うために、NCVCバイオバンクで独自に病名登録用ツールを開発した。開発した病名登録用ツールでは、一度の病名選択で電子カルテシステムの病名コードだけでなく、対応するMEDISのICD-10対応標準病名マスターのコードも同時に付与する機能をもち、効率的な病名登録が可能である。
【結果】策定した指針および開発した病名登録用ツールを用いて、2012年6月~2017年2月の期間でバイオバンク同意を得た患者を対象に、2015年10月から診療情報管理士2名が同意取得時点の電子カルテ記載情報をもとに病名登録を行った。全9,462件のうち、診療情報管理士のみで登録したのは9,265件(98%)だった。残り197件(2%)は医師と共に決定した。医師と決定した主な理由は、医師による判断が必要80件、該当病名コードの選択困難59件、主病名の決定困難28件等であった。
【まとめ】提案した手法により、より正確な病名登録を効率的に行うことができた。しかし、本手法は多大なマンパワーを要するため、機械的な抽出ルールの構築などが今後の課題である。
【方法】病名登録にあたり、1) すべての病名は主病名・併存病名・続発病名のいずれかに分類する、2) 必要に応じ病名に「既往」・「術後」・「疑い」をつける、3) 遺族から同意取得した時は死亡診断書の書式に準じ登録する、4) 妊婦から同意を取得した時は児の病名も登録する、との指針を作成した。また、担当する診療情報管理士で登録が困難な場合は、医師と共に病名を決定することとした。
これらの指針に従った病名登録を効率的に行うために、NCVCバイオバンクで独自に病名登録用ツールを開発した。開発した病名登録用ツールでは、一度の病名選択で電子カルテシステムの病名コードだけでなく、対応するMEDISのICD-10対応標準病名マスターのコードも同時に付与する機能をもち、効率的な病名登録が可能である。
【結果】策定した指針および開発した病名登録用ツールを用いて、2012年6月~2017年2月の期間でバイオバンク同意を得た患者を対象に、2015年10月から診療情報管理士2名が同意取得時点の電子カルテ記載情報をもとに病名登録を行った。全9,462件のうち、診療情報管理士のみで登録したのは9,265件(98%)だった。残り197件(2%)は医師と共に決定した。医師と決定した主な理由は、医師による判断が必要80件、該当病名コードの選択困難59件、主病名の決定困難28件等であった。
【まとめ】提案した手法により、より正確な病名登録を効率的に行うことができた。しかし、本手法は多大なマンパワーを要するため、機械的な抽出ルールの構築などが今後の課題である。