Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-PS3-3] ゲノム医療研究におけるPhenotyping

荻島 創一 (東北大学東北メディカル・メガバンク機構)

次世代シーケンス技術の進展とともに、個々人のゲノムに基づく新しい医療、ゲノム医療の研究開発が進展している。遺伝要因については非常に精度の高いジェノタイプ情報やシーケンス情報が産生される一方、フェノタイプの情報についても、病名のみならず、精度の高い、より深い情報が必要となってきている。こうしたなか、診療情報を利活用して、精度の高い、より深いフェノタイプの情報を得て、ゲノム情報と連結して、ゲノム医療の研究開発に利用することが求められている。米国では、eMERGEプロジェクトが早くからEHRの診療情報とSNPアレイによりタイピングされたジェノタイプ情報を連結させ、ゲノムワイド関連解析(GWAS)に利用してきた。わが国でも、東北メディカル・メガバンク計画において、診療情報により追跡調査を行い、フェノタイプ情報とゲノム情報を連結させ、ゲノム医療研究に利用する試みが始まろうとしている。本発表では、ゲノム医療研究におけるPhenotypingについて、米国におけるEHRからの高精度なPhenotypingとゲノム医療研究への利用の現状を紹介する。