Japan Association for Medical Informatics

[2-G-2-OP7-7] 診療ガイドライン作成ツールGUIDEを利用して作成したガイドラインの質

畠山 洋輔1, 佐藤 康仁1,2, 吉田 雅博1,3, 奥村 晃子1,6, 福岡 敏雄4, 中山 健夫5, 菅原 浩幸1, 森實 敏夫1, 山口 直人1,2 (1.日本医療機能評価機構, 2.東京女子医科大学, 3.国際医療福祉大学 臨床医学研究センター 化学療法研究所附属病院, 4.倉敷中央病院, 5.京都大学, 6.東京大学)

診療ガイドラインは患者と医療者の意思決定を支援し、患者中心医療を実現して、医療の質を向上させると期待される資料だが、その実現ためには適切に作成・記載される必要がある。Mindsは、厚生労働省委託事業EBM普及推進事業として、ガイドラインの質の向上を目的に様々な作成支援を行ってきた。2014年には、Mindsの提案する方法でガイドラインを作成するためのウェブアプリケーション「GUIDE」を開発した。GUIDEの公開に際し、実際の作成組織を対象に、GUIDEの課題の情報収集を目的としたトライアルを実施した。トライアルでは、使い方の紹介、作成過程中の質問への返答等、作成支援を行った。Mindsでは、日本で作成されたガイドラインを検索収集し、作成支援担当以外の者が評価対象となったガイドラインを国際的に標準的なツールで評価し、掲載する対象のガイドラインを選定している。2016年度に入り、トライアルで作成されたガイドラインが発行されてきた。そこで、2016年度の評価を用いて、評価対象ガイドライン、掲載候補ガイドライン、GUIDEトライアル作成ガイドラインの評価結果を比較することで、GUIDEの有用性について検証することとした。評価対象ガイドラインは50件、掲載候補ガイドラインは41件、GUIDEトライアル作成ガイドラインは4件(全て掲載候補)であった。6つの評価項目全てでGUIDEトライアル作成ガイドラインの評価が最も高く、総合評点は評価対象が56.4%、掲載対象が61.9%、GUIDEトライアル作成ガイドラインが76.0%であった。件数が少ないものの、GUIDEトライアル作成ガイドラインは、他のガイドラインに比べて評価が高く、GUIDEトライアルが質の向上に役立っていた可能性が伺えた。今後、作成組織へのインタビューを通して、質の向上に寄与した要因の分析を深めていく予定である。