[2-I-2-PS4-4] なんでもつなげ! EHRスマートハンドシェイク 〜PHRからEHRまで
千葉大学病院では、病院情報システムの大きな改造をせずに、PHRとEHRを融合したシステムであるSHACHI(Social Health Assist CHIba)を比較的安価に構築し、運用してきた。SHACHIのもともとの役割は、千葉大学病院の病院情報システムが外部と患者の医療健康情報を共有することだが、既存の他システムとの情報共有という課題にも取組んでいる。平成28年度には、AMEDの「PHR利活用研究事業」に採択され、『患者中心の医療・介護連携システムにおける本人同意とデータ管理に関する調査研究』を実施した。さらに平成29年度は、総務省の「クラウド型EHR高度化事業」に採択され、『EHR スマートハンドシェイクの構築』を進めている。EHRやPHRは、今後も、一つのシステムに統一されることは難しいという見通しのもと、システム間の情報の共有に必要な技術的な課題だけでなく、制度や運用のポリシーの調整という課題に取組んでいる。SHACHIで確立した患者自身による同意やアクセスコントロールを用い、患者の明確な意思表示のもとでのデータ利活用を進めている。また、SHACHI-IDと名付けたIDシステムを用いることにより、名寄せを行うには不十分な情報しか持たないシステムとの情報共有を実現し、名寄せによる情報共有だけでは実現できない幅広い情報共有を実現している。利用者や施設、管理者に付与される権限などは、システムごとに異なるが、接続に際しての調整を「リーガルアドバイザーボード」にて取り扱っている。これらを基盤に、幅広く接続されたシステムからのデータを標準化して格納するためのSHACHI-Brainシステムを整備し、アップロードサーバやAPI環境を整えることで、あらゆるPHRやEHRが接続可能で、医療健康情報の利活用が可能な環境の提供を目指している。