[LS-5] 情報管理者の立場から
京都大学医学部附属病院のPACS更新について情報管理者の立場から報告する。当院では多くのモダリティから発生する大量のデータを保管しており2017年6月の時点で約182TBの圧縮済みデータを保管している。2016年4月に現行のPACSシステムに更新する際に、DICOM通信でデータ移行を行うと3年以上の期間が必要である事が判明し、大きな問題となった。この問題は移行元ベンダーの構築したデータベースを契約上公開できず、通信のオーバヘッドの大きいDICOM通信の利用が必要であることに起因していた。本院では、この問題を解決するために、VNA(Vendor Neutral Archive) という標準形式でデータ保存を行うストレージとOCDB (Open Connect Database)と呼ばれる公開データベースを構築した。この仕組みにより、次期のPACS更新時には移行期間を短縮することができる。また、このVNAとOCDBはデータの取得が容易で、多くのベンダーからの接続が実現している。