Japan Association for Medical Informatics

[2-J-1-PS2-4] CDISC/ODMの概念マッピングによるEDCとEMR連携の試み

木村 映善 (愛媛大学医学部)

臨床研究におけるデータ品質の確保や、公正な研究遂行のための監査証跡、適切な層別化と割り付けの管理、スケジュールの管理のために電子的にデータ収集、管理を行うEDCシステムの開発が進められている。また、臨床試験におけるデータの標準化がCDISCの主導のもと策定されている。我が国では電子カルテ内蔵のテンプレート機能、あるいはテンプレート機能を提供する外部システムを利用してCDISC/ODM・SDTMの出力を可能にする取り組みがある。しかし、(1)テンプレートとCDISC/ODMの各々の情報モデル間のマッピングを手動で行う必要がある、(2)電子カルテのデータとCDISCで使われているTerminologyとの対応づけ、が必要である。調査票の情報モデルとなるCDISC/ODMを公開してもテンプレート対応のための実装と品質管理の多くの労力が各々のベンダー、ユーザに対して委ねられている。また、EDCが開発された背景を鑑みると電子カルテのテンプレートによる運用で臨床研究を適切に管理できるか疑問である。(1)の課題にたいし、Vanderbilt大学から無償で提供されているEDCであるREDCapにおいてCDISC/ODMにおいて項目のセマンティクス定義に使われるAlias項目をREDCapプロジェクトに取り込めるように改修、(2)REDCapと連携可能なWeb Serviceを開発し、先述したAlias項目にDWHの項目を紐付けるようにメタデータを設定、公開した。REDCapにCDISC/ODMを取り込み調査票として構成し、調査票の各項目がUMLSやJLAC10でアノテーションされていることを確認した。またDWHからREDCapのアノテーションされた各項目に自動的に転記できることを確認した。今後は、CDISC/SDTM出力まで一貫した工程を実現できるか検証する予定である。