Japan Association for Medical Informatics

[2-J-2-OP9-1] 実態調査に基づく患者プロファイル情報の実用的な標準規格の検討

栗原 幸男1, 石田 博2, 木村 映善3, 近藤 博史4, 島井 健一郎5, 田中 武志6, 中島 典昭7, 合地 明8, 石川 澄9, 高井 康平10, 大原 通宏11, 清水 健12 (1.高知大学医学部看護学科保健医療情報学, 2.山口大学医学部附属病院医療情報部, 3.愛媛大学大学院医学研究科, 4.鳥取大学医学部附属病院医療情報部, 5.千葉大学医学部附属病院企画情報部, 6.広島大学歯科病院医療情報部門, 7.高知大学医学部附属医学情報センター, 8.井原市立井原市民病院, 9.社会医療法人社団沼南会 沼隈病院, 10.日本アイ・ビー・エム株式会社, 11.日本電気株式会社, 12.富士通株式会社)

【背景】日本医療情報学会課題研究会「患者プロファイル情報基盤研究会」では、医療者が患者に医療提供する際に把握しておくべき患者の生活背景と医療背景の情報および管理上の情報を患者プロファイル情報(PPI)と定義し、それが個人特定情報、連絡先情報、生活情報、病歴情報から構成されるという情報モデルを提案した。その情報モデルの具体的なデータ項目は、中四国地域の5大学の病院情報システムと外来問診票をベースに作成し、2015年に暫定版標準データ項目セットとして公表した。2016年には、暫定版標準データ項目セットの各医療機関での整備状況を調査した。その結果、半数以上の施設で整備されているデータ項目は暫定版標準データ項目セットの40%程度であることが明らかになった。【目標】各医療機関でのPPI整備を促進すると共に地域医療連携において提供されるPPIが充実したものになるために、各医療機関が利用し易いPPI標準データ項目セットを提案する。【方法】見直しは次の観点で行うこととした。1)暫定版標準データ項目セットの整備状況調査に基づき、整備率の極めて低いデータ項目は削除または統合する。2)地域包括医療連携の観点から不足しているデータ項目を追加する。3)他の医療情報の標準規格でのデータ構造との整合性を取る。【結果】削除・統合する項目としては、生活情報の居住歴データ項目と学歴情報が上がった。追加する項目としては、患者のADL、経済状況、保険情報が上がった。他の標準規格との整合性では、アレルギー情報や使用中薬などについてのデータ項目が上がった。見直し作業は継続しているので、本報告ではαバージョンとして呈示する。