Japan Association for Medical Informatics

[2-J-2-OP9-5] 処置・検査経過を記録できる汎用性の高い処置経過記録システムの構築

藤井 歩美1, 中川 里恵2, 上田 郁奈代1, 村田 泰三1, 真鍋 史朗1, 中川 彰人1, 武田 理宏1, 松村 泰志1 (1.大阪大学医学部附属病院医療情報部, 2.大阪大学医学部附属病院看護部)

【目的】電子カルテにより多くの診療記録が電子化されたが、紙に記載されスキャンされる記録も残存している。当院では、処置経過記録がこれに該当した。処置経過記録とは、定時的に記録するバイタルデータをグラフ表示し、実施した処置内容、投与した薬剤内容を時系列に記録するものであり、多彩な表現を必要とする。この度、処置経過記録システムを構築し、運用を開始したので報告する。
【方法・結果】処置経過記録は、バイタルサインを記入するグラフ表示エリアと、処置名称、処置開始・終了時刻、担当医や介助者を記録する基本情報エリア、シェーマエリア、処置内容やイベントを経時的に記載する経時記録エリアで構成される。処置経過記録は、処置介助につく看護師らが立位で簡便に記載ができる必要がある。グラフ表示エリアでは、値の直接入力に加え、生体モニタや透析機器等の外部データの取り込みを可能とした。登録情報は電子カルテの熱型表にも反映され、処置終了後も継続的に情報を提示できるようにした。基本情報エリアではテンプレートを用い、処置ごとに入力項目が設定できるようにした。経時記録エリアでは、入力時刻がイベント時刻の既定値となるようにし、時刻入力を原則不要とした。記録内容はフリー記載に加え、処置ごとに定型文を用意し、さらに、請求データを連携させた。例えば「“キシロカイン注射液1%”を“0.5A”皮下注射」という入力に対し、キシロカイン注射液1%1Aが請求される。ただし、全てのコストを処置中に記録することは困難であり、処置終了後に医療クラークが請求データを登録できる仕組みとした。処置経過記録は多職種で記録を作成するため、医師が最終承認できる機能を設けた。これらの内容はマスタで管理し、処置ごとに設定できるようにした。
【考察】本システムは、病棟や外来での処置に加え、放射線検査、内視鏡検査、透析などに汎用的に使用できる。また、経時記録がコスト連携することで現場の業務軽減に繋がった。