Japan Association for Medical Informatics

[2-K-1-HD1-4] 障がい者Web Accessibilityに配慮してGrid-Layoutを採用した医療機関用Webpageの試作

田中 武志1, 津久間 秀彦1, 池内 実1, 氏間 和仁2, 藤田 利恵1 (1.広島大学病院, 2.広島大学教育学研究科)

[背景]病院のWebpageは障がい者にとって健康とQOLを維持する上で貴重な情報源である。特に視覚障がい者は視覚情報よりもWebpageの読み上げSoftwareによる音声情報に頼ることが多い。音声によるWebpage閲覧は、画像情報を代替の文字情報で置換する以外にも、1)SoftwareがHTML-FileをSequentialに読むため、情報の提示順序が一意になること及び2)意味論的にTag付けされた重要語句を説明・強調して読み上げると共に情報をSkipする際の目印にすること、の2つの点で視覚情報による閲覧とは大きく異なる。これら1)2)により以下の問題が生じる:A)上記1)に関して、縦横の二次元配列が可能な視覚情報と一次元的な情報の提示しか出来ない音声情報のどちらかで作成者の意図との食い違いが起こりうる;B)上記2)に関して、意味論的に正しいTag付けがされなければ、視覚情報ならば色や文字Fontによって重要性を強調できる箇所でも、音声情報においては重要性の把握に困難が生じる。実際、著者達の調査では多くの国立大学病院Websiteで適切なTag付けが為されていない。[目的]上記の問題を解決しWeb Accessibilityに配慮した病院Webpageの実装Modelを試作する。[方法]HTML5とCSS3の規格を用いJIS8341-3のAA等級に準拠した病院WebsiteのTop-Pageを試作する。Grid-Layoutを用いてPageをSection毎に分割しCSSで位置指定をすることでA)の問題に、Section内の詳細なTag付けによりB)の問題に、それぞれ対応した。[結果]患者の必要度の高い交通アクセス情報や電話番号などの情報を視覚的に目立つ位置に配置すると同時に音声情報として優先的な順序で提示することが可能になった。また各セクションの名称の確実で且つ短時間での把握が可能になった。[考察]Grid-Layoutは将来主流になるSmartphone等の小画面端末による閲覧に対応した画面設計が大きな利点であるが、更に詳細にTagを付けることにより、障がい者にとっても何処に何が書いてあるのかが判り易いWebpage作成が可能になる。