[2-L-2-PP3-5] 自計式看護業務量測定へのモバイル端末応用へ向けた検証
1.はじめに
長崎大学病院では、定期的に紙媒体を使用した看護業務量測定を行ってきた。その方法は、各個人が15分毎に主として実施した業務を選択していく方法であったため、各業務の正確な時間量を測定できていなかった。そこで、2013年度より試験的に他計式でのモバイル端末を使用した業務量測定を実施している。他計式では、観察者と非観察者が1対1で測定するため、精度の高いデータ収集が容易であるが、人的資源を必要とするため、調査回数を制限せざるを得ないという欠点があった。そこで、非観察者が自ら調査を行う自計式を導入し他計式と同等の精度でのデータ収集が実施できるか検討を始めた。今回はその第一段階としてモバイル端末を使って、非観察者が負担なく入力作業が実施できるかについて検証を行った。
2.調査方法
2017年3月6日~3月27日のうちの1週間について、各病棟看護師が本研究のために用意したモバイル端末を持参しながら通常業務を行い、実施時点で選択式の業務内容を入力した。その後、独自に作成した調査用紙を使用し、使用感等に関するアンケートを実施した。
なお、調査への参加は自由意思の元に行い、調査用紙の回収をもって同意を得たとした。
3.結果
携帯端末の使用感については、全回答者の55.9%(52名)が「軽い」と回答し、「持ちやすい」の回答は37.6%(35名)だった。一方、否定的な回答では、「持ち運びが面倒」が36.5%(34名)と最も多く、次いで「アプリが見づらい」が23.6%(22名)だった。今後の業務量調査の方法については、50%(43名)が携帯端末を使用したいと回答した。また、他の方法を採用してほしいとの回答は12%(10名)であり、音声入力や他の人が記録する方法(他計式調査)などが代替案として挙げられていた。
4.考察
今回の調査から、60%以上の看護師がモバイル端末の携帯に対し否定的でなく、50%の看護師が今後もモバイル端末を使用したいと答えていたことから、自計式の業務量調査から他計式用のアプリを搭載したモバイル端末を携帯した調査への変更が可能であると考えられた。ただし23.6%が、アプリの見づらさを指摘しており、より精度の高い調査のためには、アプリの改善も必要と判断した。
長崎大学病院では、定期的に紙媒体を使用した看護業務量測定を行ってきた。その方法は、各個人が15分毎に主として実施した業務を選択していく方法であったため、各業務の正確な時間量を測定できていなかった。そこで、2013年度より試験的に他計式でのモバイル端末を使用した業務量測定を実施している。他計式では、観察者と非観察者が1対1で測定するため、精度の高いデータ収集が容易であるが、人的資源を必要とするため、調査回数を制限せざるを得ないという欠点があった。そこで、非観察者が自ら調査を行う自計式を導入し他計式と同等の精度でのデータ収集が実施できるか検討を始めた。今回はその第一段階としてモバイル端末を使って、非観察者が負担なく入力作業が実施できるかについて検証を行った。
2.調査方法
2017年3月6日~3月27日のうちの1週間について、各病棟看護師が本研究のために用意したモバイル端末を持参しながら通常業務を行い、実施時点で選択式の業務内容を入力した。その後、独自に作成した調査用紙を使用し、使用感等に関するアンケートを実施した。
なお、調査への参加は自由意思の元に行い、調査用紙の回収をもって同意を得たとした。
3.結果
携帯端末の使用感については、全回答者の55.9%(52名)が「軽い」と回答し、「持ちやすい」の回答は37.6%(35名)だった。一方、否定的な回答では、「持ち運びが面倒」が36.5%(34名)と最も多く、次いで「アプリが見づらい」が23.6%(22名)だった。今後の業務量調査の方法については、50%(43名)が携帯端末を使用したいと回答した。また、他の方法を採用してほしいとの回答は12%(10名)であり、音声入力や他の人が記録する方法(他計式調査)などが代替案として挙げられていた。
4.考察
今回の調査から、60%以上の看護師がモバイル端末の携帯に対し否定的でなく、50%の看護師が今後もモバイル端末を使用したいと答えていたことから、自計式の業務量調査から他計式用のアプリを搭載したモバイル端末を携帯した調査への変更が可能であると考えられた。ただし23.6%が、アプリの見づらさを指摘しており、より精度の高い調査のためには、アプリの改善も必要と判断した。