Japan Association for Medical Informatics

[2-L-2-PP3-6] 長崎大学病院・歯科問診室の設置による周術期口腔機能管理対象者の受診状況の変化

平尾 直美1, 丸山 陽市2, 牛嶋 拓也3, 福田 英輝4, 牧野 亜紀子1, 藤原 卓2, 本多 正幸3, 梅田 正博5 (1.長崎大学病院医療技術部歯科衛生室, 2.長崎大学病院医療情報部歯科分室, 3.長崎大学病院医療情報部, 4.長崎大学生命医科学域口腔保健学分野, 5.長崎大学大学院医歯薬学総合研究科医療科学専攻口腔腫瘍治療学分野)

【目的】長崎大学病院における周術期口腔機能管理の対象者は、メディカルサポートセンター(MSC)の看護師により、入院決定時に口腔管理の説明を受け、希望した者が歯科へ紹介されていた。本院では入院してから手術までの期間が短く、歯科受診を希望する者は入院後が多かったため、歯科初診が手術前日となってしまう状況が見受けられた。2017年4月に歯科問診室を設置し、看護師が行っていた歯科に関する説明を、歯科医師と歯科衛生士が、口腔機能管理の重要性について直接説明し、同日に歯科診察を行い、十分な術前管理を行えるシステムを構築した。本研究の目的は、データウェアハウス(DWH)を利用して、歯科問診室設置前・後の周術期口腔機能管理対象者の受診状況の変化を評価することである。
【対象及び方法】検索対象は2016年4月から2017年4月までにMSCから周術期口腔機能管理を目的として紹介があった新患患者943人とした。①MSCの紹介により歯科を受診した患者数、②歯科初診日が入院説明を受けた当日であった患者数、③歯科初診日が入院後であった患者数、④手術前の歯科受診回数が1回のみであった患者数をDWHから抽出し、歯科問診室設置前・後の比較を行った。
【結果及び考察】①設置前:71.5人/月、設置後:84人/月と設置後増加した。②設置前:22人/月、設置後:74人/月と設置後増加した。③設置前:29.5人/月、設置後:8人/月と設置後減少した。④設置前:33人/月、設置後:10人/月と設置後減少した。歯科問診室の設置後、口腔機能管理が時間的な余裕を持って術前に行えるようになったと考えられた。
【結論】DWHの利用により、歯科問診室を設置した効果が明らかになった。
歯科問診室の設置により、対象患者を早期介入でき、周術期口腔機能管理を実施することが可能となった。