Japan Association for Medical Informatics

[2-L-2-PP4-6] 外来検体検査予約枠導入に伴う患者待ち時間改善効果の検証

井 稔1, 志村 英生1, 木村 晃希1, 山下 孝明2, 田中 俊裕1 (1.福岡大学病院 医療情報部, 2.福岡大学病院 臨床検査部)

【背景】福岡大学病院は福岡市西南部に位置しており、地域の中核病院として高度急性期医療を担っている。外来は一日平均約1300名であるが、「患者待ち時間の改善」が課題の一つである。改善活動は数年前から病院内のみならず、福岡大学経済学部学生による病院改善プロジェクト(KAIZEN project)のテーマとして継続的に行われている。
【目的と方法】平成28年1月の電子カルテのベンダー変更導入を機に、特定の時間帯に患者が集中しないよう外来検体検査予約枠を導入し、医師の協力依頼も得たのち運用を開始した。今回その効果を評価するため、電子カルテシステム(基幹システム)と検体検査システム(部門システム)から患者IDをキーに来院時刻・検査受付時刻・予約枠開始時刻などの時刻データを抽出し、BIツールを用い時間帯別患者数を算出し可視化を行った。
【結果と考察】医師の行動(予約枠運用)については、診療科により差は見られるものの、検査時刻や診察時刻は8:30~10:00まで均等に分散されており一定の効果が表れていた。その一方で、患者の行動変容については従来と大きな違いは見られず、10:00や10:30の検査予約患者が1~2時間前に来院し検査を受けているケースが散見された。今回の結果を踏まえた今後の課題としては、予約時刻に応じた受付制限(再来受付、検査受付)の運用見直しや施設上の問題点(来院患者数に対して駐車場台数不足)なども含めて総合的に検討していく必要がある。