一般社団法人 日本医療情報学会

[3-A-1-CS2-2] 地域医療構想と地域包括ケアシステム 医療連携と医介連携のありかた

大道 道大 (一般社団法人 日本病院会 副会長)

地域医療構想を念頭に各地で第7次医療計画の策定作業が始まっている。多くの自治体では将来病床過多が見込まれ、過剰な病床の今後の推移が気になる。一方、大阪府においては将来推計で病床不足とされ、病院管理者としてはほっと一息といったところだ。もっとも、医療機関の配置において交通機関や道路網などのインフラの充実度を勘案せずに、全国均一な指標を当てはめること自体に無理があることは自明の理といえよう。
日本病院会では各病院の周辺人口・病院数を中心部と周辺部に分け、集計解析した。その結果、関東中心部と大阪・阪神部だけに突出した集積が見られた。このことより少なくともこの二つの地域においては全国画一的な指標ではなく、全く異なる発想の医療構想が必要と思われた。
地域医療構想と共によく用いられる地域包括ケアシステムはなにも新しい概念ではない。地域医療の展開において必然的に自然発生したものだ。ただ現状の地域包括ケアシステムは地域によるバリエーションが多く、各医療機関や介護事業者が立体的にゆるやかに連携している。これを二次元で同一の型にあてはめていくことは地域連携の破壊にもなりかねない。
今後2025年から2040年に向けて我々病院はどうすれば良いのだろうか。